苦労人の佐野家長女の周りには不良しかいない (ページ32)

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無知ページ32

「シエルー！ごめん！遅くなった！」

「圭介…」

「あ？さっき喧嘩売ってきた奴らが来たから全員ボコってたんだよ。それよりさっさと映画いくぞ」

「……」

この間のデートぶち壊したお詫びに圭介から誘われて恋愛映画を見に来ていた

正直、圭介が理解出来なさそうな内容の映画だった

簡単にいえば両方片想いのおさなじみがくっつくというアオハル映画をみた

「なぁ、シエル！リョウホウカタオモイってなんだ？」

「……」

やっぱ理解出来てなかった…

なんで自分がわかんない内容の映画を選んだ?

幼稚園児がわかるような内容じゃないのに！

「映画の奴らに両肩になんか取り憑いているってことか？」

「は？」

いつからアオハル映画はホラー映画になった？？

私は宇宙猫を背負いかけた

こいつの脳内ではおそらく両方片想いが両方肩重いと変換されている

「…両思いってわかる？量重いじゃなくて」
　
「わかんねえ」

こいつはおしべとめしべの違いから説明するべきか？

恋愛未経験の私はこうゆうのー教えるの苦手なんだよな…

「あいつら、神社に行ってたのはお祓いしてたからだろ？」

夏祭りに決まってんだろ

恋愛映画だって言ってんだろ

「でも、最後もリョウホウカタオモイっていってたし、やっぱ幽霊ってボコらねえと祓えないみたいだな」

「……霊に物理攻撃は効かない」

「まじか！」

だめだ。私じゃこいつに恋愛を教えられない

とりあえず私はこいつの問題を解決するべくマイキーと真兄に連絡した