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確信と疑心 ページ6
確かに、零くんだと思った。
確信はあったのに。
「安室さーん! レジお願いします」
「はい! 今行きます」
では、と頭を下げてレジに向かう彼を凝視する。
プラチナブロンドの髪にサファイアに輝く瞳。
健康的な褐色の肌に柔らかな声色。
口調は違えど見た目はまさに、彼そっくりだ。
物腰柔らかな面も彼とは多少異なるが、手つきは似ている。
「A? どうかした?」
「……いや、あの人ってハーフかな?」
「安室さんのこと? んー、そうかもしれないね〜」
金髪碧眼で色黒な人はそう多くはいない。
でも名前も性格も口調も違う。
再び彼に視線を向けると、目が合った。
きっと別人。世界には3人同じ顔がいるんだ。
だから、あの人は安室さんだ。
一人で勝手に気まずくなった。
はやく帰ろう。
フォークに巻いたパスタを頬張って無心に食べた。
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作者名:榊 リョウ | 作成日時:2019年8月13日 19時