友人とお茶 ページ3
「久しぶりだね〜! こっち来てたんだ〜!」
「仕事でね、ほんの最近だけど」
ティーカップに口をつけて相手を横目にみる。
ふふ、と口を隠す右手はとても眩しい。
彼女は高校の同級生、今はリッチな旦那さんと東京で暮らしているらしい。
上品な格好だがうん百万するブランド物が何点か。
見せびらかしてこないことが救いだ。
「お腹すいてない? この店のイチオシはね…」
「じゃあ、パスタ食べようかな」
「え〜ハムサンド美味しいのに〜! すみませ〜ん」
可愛らしい店員さんと目の前の彼女に目を伏せる。
綺麗に上がる口角に三日月のように弧を描く目。
第一印象というか愛想って本当大事だ。
「ごめんなさい、ハムサンドの方は少し時間がかかりそうなんです。安室さんが買い出しに行っていて、もうすぐ戻ると思いますけど……」
申し訳なさそうに謝る店員さんに彼女は眉毛を下げる。
そんな彼女に「デザート食べて待ってようか」と提案して、小さいアイスを注文した。
「ありがと〜、この店来たら絶対食べたくて」
「なるほどね、あとで一口もらおうかな」
「じゃあ私もパスタもらう〜」
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作者名:榊 リョウ | 作成日時:2019年8月13日 19時