ある日、未来のトリプルフェイスを拾った。【名探偵コナン】

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零くん捜しの旅に出て早一週間。お金はいーっぱいあるわけじゃないから節約生活を送っている。友達の家に泊めさせてもらったり、実家を頼ったりして日々をやり過ごしていた。今日はビジネスホテルに泊まる。

いやぁ零くん見つからんなぁ……住所は東京都だって言ってたからすぐ見つかると思ってたけど見つからんわ……東京都の米花市米花町ってどこだよ……。

正直ナメてた。零くんが来られたんだから、あたしも行けるだろうと。いやバカじゃないの、そんなわけないじゃん。

と、冷静になってきたあたしである。



「ひー、捜すだけの生活じゃお金がゴリゴリ削られていく……」



こりゃどこか働き口を見つけなくちゃなんねえな、と考え始める。師匠のとこの料亭辞めるべきじゃなかったか。師匠は「七年も売り上げに貢献してくれてるから」と言ってお給金を高めに払ってくれていた。あの笑顔が恋しい……。ししょぉ……おくさまぁ……。

いやダメだ。もう迷わないって決めたんだから。



「てゆか零くんはどうやってこっち来たんだろ？ そういや訊かなかったな……。どうやって戻ったかは、……寝てた、としか……」



寝るだけで次元を越えられるのならあたしはもう三百六十五×二十五+六回次元を飛び越えてる。

よくあるトリップ法としては、トラックに轢かれて死ぬだとか階段から落ちて死ぬだとか通り魔に刺されて死ぬだとか……死んでばっかりじゃないか。あたし痛いのは嫌いだからこれらの方法は遠慮させてもらおう。

なんか魔法のアイテムがあるとか？ いや、初めて会ったとき零くんはボロボロの服しか着ていなかったし、戻るときもパジャマとロケットしか身に着けていなかった。パジャマもロケットもあたしご愛顧のショッピングモール内のショップで買ったやつ……そんな特別なものじゃない……。



「うーん。わからんな！！」



さっきまで街の中を歩いていたので、お気に入りのパーカーに細身のパンツ、ブーツを身に着けたままベッドに倒れこんだ。さすがホテルのベッド、ふかふか。

肩からかけたショルダーバッグを外す気にもならず、そのままベッドに沈み込む。街を歩き回るのってめっちゃ体力使うのね、運動してないオバサンにはきついものがあるぜ……。

波のように眠気が押し寄せてくる。早く零くんに会いたいと思いながら身を委ねれば、すぐに意識がなくなった。

決めたそばから→←迷わない

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