計画 ページ23
零くんがうちに来て早二週間。零くんはすっかりうちに馴染んでいた。
掃除や洗濯などはすすんでやってくれるし、勉強も読書もちゃんとやっているし、たまに近くの公園に遊びに行っては子供たちと戯れて帰ってきている。
定休日の火曜日しか休めないあたしは、零くんに週一日しか構えず口惜しい思いをしているのだが、零くんは全く気にせず一人で日々を楽しんでいるようだ。とても寂しいことである。
今日も仕事から帰り、零くんに夕飯を振る舞って、食後ののんびりする時間を楽しんでいた。
「……なあ、A」
「んー?」
「ここは、事件が少ないんだな」
テレビに流れるニュースを見ながら零くんが言った。今流れているニュースは、「芸能人が結婚しました!」という平和なもの。
感動したような零くんに苦笑する。いやいや、あなたの住む町と比べられてもね。
「そうだね、物騒な話題は少ないかな……零くんのとこは違ったの?」
「一週間に百件とか」
「うわ物騒」
盛っていないのが笑えない。
そんな都市でよく生きていけるなあなんてちょっと他人事に思いつつ。
「そうだ、明々後日はお休みもらえたんだ。約束してたデート行こう!」
「でっ……! 遊びに、だろ?」
「デートでしょ。男女二人で出かけるんだから」
若干頬が朱い零くんが、気まずそうに目をそらす。うぶなのか。十四才で女慣れしてたらコワイけど、零くんは安室さんのイメージあるからなんとなく慣れてると思ってた。
「どこ行きたい?」
「Aと行けるなら、どこでも」
ナチュラルだ。やっぱ零くん女慣れしてるな??
零くんとはこの二週間でずいぶん仲良くなったと思う。毎朝ロケットを着けてあげる仲だ。自分で言ったけどどんな仲だ。
彼は彼のまわりのことを教えてくれるようになったし、警察官になりたいと思ったきっかけの女性についても教えてくれた。親友のことや、学校のこと、自分のことをいっぱい教えてくれた。
好物はまだセロリじゃなかった。不思議に思って、セロリのきんぴらをつくって出してみたら、彼はいたく気に入ってしまって、事あるごとにセロリと口に出すようになった。安室透のセロリ好きはあたしが原因だったのか……ハハ、まさかね。
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えりんぎ苺(プロフ) - バッグ・クロージャーさん» 面白いと言っていただけて嬉しいです……! 楽しみにしていただいているので、更新頑張らなくっちゃですね。コメントありがとうございました! (2020年5月25日 16時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎ苺(プロフ) - ひかりさん» 面白いと言っていただけて嬉しいです。すぐに反応していただけるとは……わたしは幸せ者ですね! 更新頑張ります。コメントありがとうございました! (2020年5月25日 16時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
バッグ・クロージャー(プロフ) - すっごく面白かったです!更新楽しみにしてます! (2020年5月25日 16時) (レス) id: 09ffad4c5f (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - めちゃ面白いです!さっき更新された話もまじ良かったです! 更新待ってますっ!! (2020年5月25日 16時) (レス) id: 2b9098a683 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎ苺(プロフ) - サクラさん» 面白いだなんて、すっごく嬉しいです! 零くん視点の予定はなかったのですが、もしお待ちいただけるのなら、完結後に番外編として書かせていただきたいのですが、よろしいでしょうか? コメントありがとうございました! (2020年5月25日 13時) (レス) id: b6e0dc5b12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えりんぎ苺 | 作成日時:2020年5月21日 19時