068 嫌い ページ19
デビュー、アルバムツアー、そしてレギュラー冠番組のオファー。立て続けにいいことづくしのIDOLiSH7。しかしそれらをまるでそれを嘲笑うかのように、みんなの元に届いたニュースはスポンサーの意向によるレギュラー降板だった。そして、追い打ちをかけるようにさらにバッドニュースが届く。
「壮五さんを怒らせた！？」
「当たり前ですよ！生放送に穴を開けるなんて！」
「…ごめん」
MEZZO"で生放送での仕事が入っていたにも関わらず、環くんはその放送に遅刻して穴を開けた。それに対するお叱りを受けたのは当事者の環くんではなく、相方の壮五くんと、今も横で30分以上謝り続けている紡ちゃんだった。
「何が原因で遅刻した？場合によっちゃ無罪かも知れないだろ。話してみろ」
「女の子に声かけられて…」
「有罪」
「…さすがにプロとしての自覚足りなすぎ。今回の件は笑い話にはできないよ。遅刻に理由があろうとなかろうと、絶対にこれは反省して」
「…俺、ファンのこと嫌いだ」
「は？」
「何言ってるんだよ！」
「応援してくれてありがたいなって思ってたけど、今は嫌いだ…。大っ嫌いだ！」
「さすがに聞き逃せねえぞ！おまえ、誰のおかげで歌ってられると思ってるんだ！」
「待ってください！四葉さん、何があったんですか？どうして、そんなこと…」
環くんはひとつひとつ話し始めた。
学校帰りに環くんのファンの1人から声をかけられたこと。生放送があることはわかっていたが、妹のことを知っていると言われたこと。付いて行ったら、それは嘘だったということ。
彼が妹をどれだけ大切にしているのか全員がわかっているからこそ、彼だけを責めるのはお門違いのような気がしてならなかった。この嘘は、環くんじゃなくてもつらいものだろうから。
「タマ…仕事がある時はそっち優先だ。話が嘘でも、本当だったとしても」
「…はい」
「それに、たった1人に嫌なことされたからって、決めつけるようなことを言うな。みんなが応援してくれたから、今の俺たちがいるんだ。わかるな？」
「はい…」
「…あのさ、ファンを嫌いでもアイドルをしてる人はいるよ」
「花音！？」
「でもその人たちは絶対にファンに愛されることもない。なぜかわかる？」
「…なんで？」
「自分を愛してくれる人を愛したいなんて思う人いる？それと一緒。わたしはそんなアイドルは認めない。ファンのことを大切にできないなら、わたしはIDOLiSH7のコーチを辞める」
「かののん...」
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瑠奈(プロフ) - 068 嫌い の「自分を愛してくれる人を愛したいなんて思う人いる？｣というセリフは変ではないでしょうか？ (2019年5月21日 11時) (
レス) id: 6936f9c053 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年4月12日 4時) (レス) id: a6e6d18aa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：深瀬 | 作成日時：2019年4月12日 2時
