050 突然 ページ1
「彼らが大事に思ってくれてるから、わたしも大事にしていきたい」
「Crarisu…？」
わたしでも八乙女さんでもない声が響く。聞き覚えのあるような、ないようなその声の方に恐る恐る振り向けば、そこにいたのはTRIGGERの八乙女楽だった。
「あんたがCrarisuのカノ？」
「！」
「どういうことだよ。IDOLiSH7だとか、Crarisuだとか。なんの話しをしてる？」
「お前には関係ない」
「…そうかよ」
「どこに行く」
「午後からはオフだ。どこに行こうと勝手だろ」
「またあの女の店に行くのか。みっともないマネは止めろ！」
「あんたには関係ない」
いや、わたし完全に空気。さっきまでCrarisuの話をしていたはずなのに突然ケンカ勃発させられても困る。
それにしても2人の関係は社長と事務所のタレント、ではないみたいだ。てか八乙女楽っていうのが本名なら社長の息子ってこと？本物の親子喧嘩を目の前で見せられて正直どうとも反応できないっていうのが感想だった。
「行くぞ」
「えっ…えっ！？」
「待て！楽！」
八乙女さんの制止の声をガン無視して部屋を出ていく八乙女楽。まあ、あのまま話をするのもなとは思ってたからタイミングは良かった。しかし彼に手を引かれたままだったので、戸惑っていると「それで？」と突然話を振られる。
「え？なにが？」
「あんたが本当にCrarisuのカノなのか？」
「…ああ、うん。そうだね」
「…解散した日からCrarisuは何をしているのかも、そもそも生きているのかさえもすべてが謎に包まれていた。そんなあんたが、どうしてあいつと話してた？」
「うーん。勧誘されたから？」
「勧誘？Crarisuのカノだけをうちの事務所でデビューさせるためにか？」
「デビューはIDOLiSH7だね。わたしが勧誘されたのはTRIGGERの作曲家」
「？…あんた説明下手か？」
「あなたは悪気なく容赦ないこと言うね」
説明下手なんて初めて言われた。だけど今までの行動を振り返ると確かに説明下手かも、と納得している自分がいた。
それにしても困った。Crarisuのことは確かにバレたくないものではあったが、バレてしまったのは仕方ない。自分で言い放っちゃった以上、今さら弁解してもとなってしまう。だが、この状況は非常にわたしには良くない。根掘り葉掘り聞かれて、知られたくないことにも触れられたら困る。
そんな時、後ろから驚いた様子の声が聞こえた。
「花音さん…？」
うーん。君をお呼びってわけじゃなかったよ、天くん。
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瑠奈(プロフ) - 068 嫌い の「自分を愛してくれる人を愛したいなんて思う人いる？｣というセリフは変ではないでしょうか？ (2019年5月21日 11時) (
レス) id: 6936f9c053 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい (2019年4月12日 4時) (レス) id: a6e6d18aa3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：深瀬 | 作成日時：2019年4月12日 2時
