「愛してない」 (ページ7)

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昨日の踏み切りに着いた。

どういう死に方でもいいやって思ったら、不思議とここを選んでた。

また、昨日の人に怒られるだろうか。

…いや、居ないかさすがに。

怒られたって別にいいや。

もう何でもいいから楽になりたい。

翔太の顔が浮かんだけれど、それさえ足を動かす材料になる。

本当は、気付いてたよ。

翔太にとってもうわたしは唯一じゃない事ぐらい。

翔太はバカだからわたしが気付いてないと思っていたのかな。

翔太から香る、嗅いだ事のない甘い香り。

翔太の首筋に浮かぶキスマーク。

気付いてない振りをして認めたくない振りをして、わたしはどこかで諦めていた。

翔太はわたしが必要。

だからわたしも翔太が必要。

でも翔太は、わたしだけじゃないんだよね？

翔太しか居ないって溺れるわたしを見て、君は満足してたのかな。

そうだよ、わたしは翔太しか居ないんだよ。

意地張ったって、殴られて嫌だと罵ったって、最後の最後には翔太しか居ないんだもん。

だから、もう、おしまい。

もう気付かない振りするの、やめたから。

あーあ。

最後の最後までわたしは、

『1人だったなあ。』

カンカンカンカンーー…

終わりを告げる音がする。

わたしにはもう、迷いがない。

ゆっくりと、歩を進める。

さよなら自分。

さよなら世界。

最後まで、泣かなかった自分を褒め称えようじゃないか。

ゆっくりと、瞼を下ろす。

「バカっ……！！！」

……あれ、？