「愛してない」 (ページ22)

今日:2 hit、昨日:17 hit、合計:770,975 hit

22 ページ22

翔太と生きて行くの？

翔太と幸せになるの？

2人で居て、幸せになれるの？

わたしはあの時、どうして死にたくないと思ったの？

何に疲れたの？

何からやり直したいと思ったの？

今、どうしたいの？

どうすればいいかって、本当は、分かってるんじゃないの？

“捨てられるのが怖いから、翔太を捨てたくない”

“翔太がわたしを必要としてくれるから、わたしには翔太が必要”

“誰かに依存しなきゃ、わたしは生きていけないから”

“翔太が大切だから、出逢わなきゃ良かったのに”

そう言ってわたしは、何度過ちを繰り返して来たんだろう。

そうして翔太を縛り付けて来たのは、わたし。

翔太をあんな風にさせて、あんな間違った依存関係を続けて来たのはわたしなのに。

どのくらい、何から、わたしは逃げて来た？

もう逃げるのは、嫌だ。

そう思い立った時には、わたしは岩本さんのマンションを飛び出して、翔太が待つ自分のアパートへと足を向けていた。

物が散乱したあの部屋で、わたしが出て行ったあの部屋で、翔太はずっと窓の外ばかり見ていた。

そうやっていつも、わたしが朝この部屋から出て行った後いつも、寂しそうに、窓の外を見ていたのかな。

ねぇ翔太。

出逢わなきゃ良かったなんてそんな事、本当は、本当は思ってないよ。

翔太と出逢ってわたしは幸せだったよ。

“2人”

その事実が、いつもわたしを強くさせてくれたよ。

でもいつしか、その事実が重荷になってったね。

きっと翔太もわたしも、2人で居ながらいつも1人だったんだよね。

気付くの遅くてごめんね翔太。

もう、終わりにしよう。

わたし達、また、一から始めようか。