「愛してない」 (ページ1)

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もう疲れた。

楽しくもない学校に行って、好きでもない奴らに愛想を振りまくのも。

バイトに行って、先輩からの幼稚な嫌がらせに合うのも。

家事や、アパートの家賃の心配をするのだって疲れた。

“お前は、俺のだろ？”

そう言って優しく抱き締めてくれたその手で、わたしを殴る彼にも。

もう、全部全部、どうだっていい。

楽になりたい。

何も考えないように。

そうしたら、次生まれ変わったら、今度こそ、今度こそ……

カンカンカンカン……

踏み切りの音がする。

きっともうすぐ電車が来る。

死ぬ時は、沢山の人に迷惑をかけて死んでやる。

そう決めたわたしは、この踏み切りを選んだ。

沢山のアパートやマンション、スーパーやデパートが近く、沢山の人が通る場所。

これまで人生目立つ事のないように生きて来たんだから、せめて死に際くらい派手にしたい。

間違ったわたしなりの理論を振りかざして、わたしは一歩、また一歩と前へと進んだ。

ガタガタ震えるのはやっぱり、人間の性。

いくら決意したって、怖いものは怖い。

遠く鳴り響く電車の音が、わたしの心臓を加速させる。

冬だというのに、背中にはじっとりと汗が滲んでいた。

もうすぐ、わたしは、死ぬ。