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『お疲れ様でした。』

「A〜、ちゃんと飯食えよ!?今日も貧相だった。」

『貧相って……佐久間さん酷い。』

「冗談だよ!半分!じゃ、お疲れ!」


バイト中も、ひかるさんの言葉が忘れられなかった。

お前は独りじゃない。

期待しちゃうよ、そんなの。

どうせまた貴方は、側に置いてくれてても、味方で居てくれてても、わたしには愛してないって言うんだ。

きっと。


「…A?」


嫌なことばかり考えても仕方ない。

深くため息をついてマンションへ帰ろうとした時だった。

後ろから久しぶりに聞く、わたしを呼ぶ声。

思わず足が止まって、全身に稲妻が走ったような感覚がする。


「A、だよな?」

『……翔太…』


そこにいたのは紛れもなく翔太で、わたしだと再確認すると後ろから走ってきてわたしの前に立った。


「久しぶり。」

『……久しぶり。』


優しく笑うその笑顔に、わたしも緊張が緩んで一緒に笑った。


久しぶりの再会でこのまま帰るのもなんだからと、翔太に誘われて近くの公園のベンチに座る。

何を話すわけでもなく、ただ無言で時間が過ぎて行った。

そんな沈黙を破ったのは、翔太が先だった。


「あのさ。」

『うん。』

「今も、1人暮らし?」


口を噤んだわたしを見て、翔太は眉を下げて困った顔をする。


「あ、言いたくないなら……」

『……る』

「え?」

『一緒に、住んでる人が居る。』


わたし達は前に進むと決めて別れたから。

嘘はつきたくなかった。


「……そんな顔すんな」


綺麗に整えられた眉をしかめさせて、翔太は少しだけ声を荒げる。

何も言えないわたしは、ただただ黙って翔太を見つめるだけだ。


「男?」

『え?』

「一緒に住んでる人」

『あ……うん、』

「いい男なんだ?」


意地悪げに微笑んだ翔太を見て、どこか安心した。

こう言う気楽に接せれるところ好きだったな、なんて。

それに答えるように控えめに、わたしも笑った。


「……心配してた。ほんとは。」

『え?』

「前のアパート出たって、管理人さんに聞いて。」

『…そっか。』


翔太に依存してた昔のわたしを思い出して、不思議な感覚になる。

わたしと付き合ってた翔太。

わたしの全てだった、翔太。

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かえで(プロフ) - この小説大好きです!!!いつも更新楽しみにしてます(^^)頑張ってください☆ (2016年3月21日 22時) (レス) id: 683565b60e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さと | 作成日時:2016年3月1日 16時

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