Limit 45. ページ17
『これ……折れ曲がってしまった部品については、取り替えた方が早いと思う』
直せない訳では無いが、それにはもっと設備の整った場所でなければ難しい。
ある程度の修理を行ったAは、手早く工具を箱に仕舞い直して立ち上がった。
『私が出来るのはここまでだよ』
また鞄を背負い直すと、
その前では少年が自転車を前後に動かしてスムーズに進むことを確かめる。
『おお、ちゃんと動く!』
『……当たり前だよ、動くように直したんだもの』
『それを“当たり前だ”って言えるのがすげえよ!!』
呆れたように肩を竦めさせたAに、大きく両腕を広げながら彼女を称える少年。
Aからしてみれば少し大げさな気もするが、
少年にとっては本当に助かった事なのだから声を上げたくもなっただろう。
しかしすぐに気を取り直すと、身を乗り出すようにして彼女に問いを投げかけた。
『──なあキミ、もしかしてこれ以上の機械とかもわかったりするのか?』
『これ以上って……それは、物による──っていうか……まだ勉強中だし……』
『勉強……? 機械についての勉強か?』
あまりに大雑把にされた質問に、今度はAが戸惑って答える。
これ以上となると、ある程度までは広く扱えるとは言う事が出来るが
それが大掛かり、あるいは複雑な物だと彼女にも扱えるのが限られてくる。
続いて“勉強”について食いついて来た彼には
とりあえず小さく頷いておくと、相手が途端に目を輝かせた。
『だったら丁度良かった!』
『…………?』
何だ、まだ直してほしいものがあるとでもいうのか。
しかし自転車のような手の物なら、今回限りで我慢してもらいたい。
脳裏で密かに思い悩んでいるところで、彼は引き続いてAにこう告げた。
『あのさ、君に見てほしいものがあるんだ! 多分、それも機械についての
資料だろうって凪斗は言ってたけど、俺達じゃさっぱりでさ……!』
『資料? ……凪斗??』
資料……どうしてそんなものをこんな少年が持っていると言うのだ。
そしてさらっと彼の口から聞き慣れない名前が飛び出したが、誰の事だ。
唐突に置いてきぼりを食らって困惑したAに気づくと、少年が大きく頷き。
『そう言えば、自己紹介がまだだったな。
凪斗っていうのは俺の友達! で、俺の名前は翔だ! キミは?』
『…………A』
Aが少々警戒しながらも、両者がようやく自己紹介を終えた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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8
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フェイル(プロフ) - ゆーふぉーさん» 聞いてないですよねえ! (白々しい。) 兄だけが、物語の最初で出て来た五人の存在を誰よりも早く知っていたことになりますね。 (2015年9月22日 1時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ヒビキさん» コメントありがとうございます! はい、その通りでございます! 話が半ばに差し掛かったところで、ようやくその正体がわかりましたね! (2015年9月22日 1時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーふぉー(プロフ) - お兄さんなんて聞いてないですよΣ(゚Д゚)思った以上に複雑ですね (2015年9月21日 22時) (レス) id: 7b18582839 (このIDを非表示/違反報告)
ヒビキ(プロフ) - 違っていたら申し訳ないんですけど、タイトルの絵に描かれている左側の男の子はもしかして主人公の兄である凛空ですか? (2015年9月20日 20時) (レス) id: b7ba2d1d16 (このIDを非表示/違反報告)
フェイル(プロフ) - ゆーふぉーさん» 書籍は流石に言い過ぎです!!!! 英語ですかー……あれは暗記教科のようなものな上、継続的な勉強になりますからかなりしんどいですよね;; (2015年9月13日 16時) (レス) id: 94a6daec65 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フェイル | 作成日時:2015年8月30日 0時