第6話 ページ7
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「ちょっとタイム」
両手で顔を覆い隠し、シャンクスから離れる__が、逃がさんと肩を掴まれる
何故!!?
「はぐらかすなよ音彩?」
「はぐらかし…………てはない!!」
「なんだその妙な間は…」
楽しそうに笑うシャンクス
いやからかってるでしょ!?分かっててやってるじゃん!!
「ぐっ……分かってるなら聞かないで!!」
「すまん。ついな」
「ヴッ……解せぬ……」
だけど楽しそうに笑うシャンクスの顔、めちゃくちゃカッコよくて全て許してしまう
これがオタクの悲しい性というもの……
顔の良さに弱いのは全世界共通だと思う、本当に
そんな事を思いつつ、ふとシャンクスが私に向き合う
「すまないな。お前を世界に帰せれなくて」
「……しょうがないよ。だって私だって“見えない”からさ、まだ」
シャンクスには私がこの世界の住人ではないことを明かしてる
初めはびっくりして驚いていたけれど、私がこの世界とは違う思考や知らなかった知識などを照らし合わせると合点がいくと、納得してくれた
“扉”が見えることも話した。そしてこの世界に来たことを機に見えなくなったことも
「多分まだその時じゃないんだと思う。だからきっとその内見えてくるはず……多分一生ではないと思うから、シャンクスが落ち込まないでよ!ね!」
「…………そうだな」
シャンクスは優しく笑うとくしゃっと私の髪を撫でる
「…もし、お前の帰り道がこのまま見つからないのなら__
この船にずっと乗ってても構わない…お前さえ良ければな」
「…え?」
何故か不思議な位に波が一瞬だけ静かになったような気がした
そして何故か覚えのある感覚
え、なんだろうこれ
シャンクスは私の目をじっと見つめていて逸らさなかった
そんな目に捕まった様で、私も逸らせなかった
なんだか、その言葉が本当に心から言われているような気がして
「……なんてな、ちゃんと帰すさ。お前の居場所は向こうにあるんだから、な」
「………………うん」
シャンクスは私の頭に手を軽くポンポンと置くと、甲板の奥の方へと戻って行った
何だったんだろう、あの感じ……
何故か分からいけれど、ザワつくような?
上手く言葉に言い表せられないけれど、シャンクスの目に一瞬だけ悲しそうな色が宿った
そんな気がした
それにあの言い方はまるで………?
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