第37話 ページ38
。
「なるほどね…それで喧嘩しちゃったの」
「…はい……」
開店前。簡潔に昨日あったことを話した
ニコラさんはうんうんと相槌を打ちながら黙って聞いてくれていた
はぁ……こんな小娘の相談事を聞いてくれる貴方は女神です……
「うーんそうね……」
(ただ多分なんだけど。船長さんは怒ってないような気がするんだけど…)
きっと音彩は優しいから変な気遣いをしてすれ違っちゃったのかしら
恐ろしいことにニコラの予想は当たっていたのだった
「とりあえずまた話し合ってみてもいいんじゃないかしら?船長さんも怒ってないと思うわ」
「ん…はい…」
そしてお店は開店し、昨日と同じように接客をした
裏方の手伝いも勿論
PM12:00
お昼休憩に入っていいと言われたので私はそのまま外食をしに向かった
途中、シャンクスと鉢合わせないかハラハラしながら
「いや…悪いのは私なんだよ」
気まずく感じるのだって自分が悪かったって自覚してるからじゃん
だったら潔く謝ればいいだけの話じゃん
………それが出来たらこんな状態になってないって言うね
「ウジウジしてたってどうにもならないじゃん…バカ…」
ふと口に出していた
頭で分かってても心の準備が出来ない。なんて言おうなんて切り出そうと
シャンクスがもし船を降りろって言ったらどうしよう?
許して貰えなかったら?
マイナス思考が覆い尽くすばかりだった
「あれ。音彩?こんな所で何してるんだ?」
足をふと止める
聞き覚えのある声が背後から聞こえた
「……あ…君は……」
振り返った後ろにいたのは
いつかの日に会ったキールだった
「キール…」
「偶然だね音彩。…何か困ってるのか?顔色、少し暗いよ?」
「ああ。うん、まぁ…」
「俺でよければ聞くよ?」
結城くんと全く同じの顔で声で言うものだから
ほんの少し安心してしまう
私はキールと近くのレストランに入り、話した
「そんな事が」
「うん。だからどう謝ろうかなって…」
「そうか……きっと大丈夫だと思うよ。俺は」
「うん………」
「その。ちゃんと言えないけれど。それでもし許されなかったら、俺がそばに居てやるから」
「うん……………へ?」
何とも間抜けな声が出てしまった
なんかサラッとイケメンなこと言われた気がする
「気持ちは嬉しいけど……ありがとう」
「ああ!」
ニッと笑ってみせるキール
うーーんイケメン
「キールありがとう。勇気出たかも。ちゃんと謝るよ私」
「ああ。それなら良かったよ」
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