第31話 ページ32
。
「あの。心配は有難いんだけど…」
只今の時間AM:8:00
朝から船の甲板で何をしているのかと言うと
「いやこれも持っていった方がいいんじゃないか?」
「また怪我するといけねえから医療具を…」
「いやそこは絆創膏をだな……」
この通り。過保護になってしまったイケオジズによる荷物の準備である
というか
「ちょっと。あの。荷物多すぎじゃ…」
「喉渇くといけねえな。これ持ってけ」
「バカヤロ音彩は酒飲まねえだろうが」
「水か?水ならいけるか」
「あと昼飯を…」
とさっきからこの調子
心配は有難いよ?有難いんだけどね?
「いや。あの」
「音彩は危なっかしいからなぁあと何が必要だ?」
「護身用にピストルか?」
「いやナイフの方がいいだろう」
「ナイフだとリュックに穴空くかもしれねえだろ」
「ちょ、あの」
いやさりげなく物騒なもの入れないでもらって??
そして全員話を聞いてくれない。これでもかってくらいに
この状況を肩を震わせて笑うシャンクスとベンさん
いや止めようか???笑ってないで???
「そうだなぁやっぱりピストルじゃねえか?」
「だがデカすぎだ。嵩張る」
「しょうがねえなぁ発炎筒でも入れとくか」
「おおモンスター!バナナ入れんのか!それもいいな!」
うん。あの。だからさ
そして私の限界が達した
「分かったから早く私を出勤させてぇ!!!!!!!」
こうして私の初バイト。初出勤は盛大なツッコミから幕を開けた
場所は変わり。酒場
「はぁ………おはようございます…」
どよんとした顔で出勤する羽目に。いやなんでこんなに朝から疲れてるんだろ
可笑しすぎじゃん…
「おはよう音彩。あら…なんだかすごい疲れてるわね?」
「あ。おはようございますニコラさん…」
声をかけてくれたのはこの間歌を歌って場を盛り上げた女性のニコラさん
実はここの酒場の娘さんらしく、店長さんはお父さんだったらしい
話を聞いたら1週間に1度たまにあの日みたいに歌を歌って酒場を盛り上げたりしてるらしい。すごいです。尊敬
「もしかして原因は彼等?」
バーカウンターに置いてあるお酒を準備しながら話題をふるニコラさん
ウィンクをしながら「彼等って本当に素敵よね」と言う
それには同意見です。ただ
「超がつくほど過保護ですよ」
多分こういう経験自体が彼等は初めてなんだろうと思う
だからこそ余計に心配してるんだなと
って考えたら私早速みんなに迷惑かけてるのでは??
今更だが滅茶苦茶不安になってきた…
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