第21話 ページ22
。
「あ!ごめんなさい……!!」
やば!余所見してた!
申し訳なく思い即座に相手に謝罪する
するとぶつかられた男性は
「いいよ、俺の方こそごめんね?」
「いやこちらこそ……………え?」
そこに居た人に目を見張る。だってありえないと思った
「結城くん………?」
私がぶつかった相手は私の世界でよく知る見知った人間にそっくりだったから
「?…ユーキクン?」
「あ、いえ。すみません勘違いです」
びっっっっくりした……そうだよね流石に結城くんがいる訳ないよ
似てるけれど……
何より驚くのは背丈や顔、声が全部似てること
(こんな偶然ある?)
「ごめん、もしかして俺何かしちゃったかな」
「いえいえ!何もしてないよ!!寧ろ私の方こそごめんなさい」
「いやいや、俺も余所見してたし…ほら、ここはお互い様ってことにしない?」
「!!……じゃあ、そういうことに…」
嘘でしょ本人??っていうくらいに性格も激似
びっくりだよ本当に
「あ、じゃあ私これで…」
と別れようとした瞬間、突然腕を掴まれる
「え」
「あの、もし良ければ俺に街を案内させて貰えないかな?」
「………ん???」
え、出会って数秒でこんな乙ゲー展開ある??
しかも知り合いの激似イケメンに
(なんか一周回って面白い)
と呑気な考えにおいおいとノリツッコミをしながらもう一度結城くん似の男性に向き直る
「有難い申し出だけど、1人でちょっと回りたくて…まだ滞在する予定なので次良ければお願いしてもいいですか?」
ほんっと申し訳ないんだけど乙ゲーイベントは色々とお腹いっぱいなんです。いや本当に
男性は少し寂しそうな表情をしながら「なら次に」と快く承諾してくれた
あ。そういえば名前
「あ、私織部音彩です。貴方は?」
「俺はキール。よろしく音彩」
「よろしくキールさん」
「キールでいいよ」
「じゃあまたね〜!キール!」
キールと別れて建物の中に入るスゥッと深呼吸をする
うわやばいなああ!??まんま結城くんじゃんん!?
喋り方、性格。どれをとってもイケメンの行動
最早本人説濃厚か???
と考えたが流石に私のこと知ってたらエンダーイヤーしてたと思うので違うと思いますね
逆に知り合いに似すぎてるっていう理由で私の心臓が色々と危なかったんだけども
色々と複雑な思いをしながら私はたまたま入ったレストランで朝食をとることにした
「とりあえず肉食べたい……」
……………あ。ここ魚料理専門だった
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