19:独占的な愛 ページ41
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伏黒くんを硝子さんのところまで連れて行くとそこには先に着いていた野薔薇ちゃんと真希さんがいた。
真希さんは怪我してないみたいだけど野薔薇ちゃんはジャージに穴が開いてるのを見る限り真依さんから攻撃されたんだってすぐに分かった。
「野薔薇ちゃん大丈夫?」
「怪我は大したことないわよ。ただ新品のジャージに穴開けられたのがムカつくわね。」
「そのジャージで訓練するのもなんだし、私の部屋から何か洋服持ってくるね。」
「A、部屋に戻るなら護衛で棘も連れてけ。京都のジジイに遭遇したら厄介だろ。」
真希さんにそう言われて部屋から出ようとした私の後を狗巻先輩が追ってきた。
確かに今の状況で楽厳寺学長と鉢合わせたら面倒な事になるのは目に見えてるし、歳が上になればなるほどフェロモンが効かないって言うのも確定条件じゃないから護衛がいるのはありがたいな。
「あんな宣戦布告してくるなんて驚きですよね。悪い人じゃないかもしれないけど東堂さんはちょっと苦手かも。」
「ツナマヨ?」
「う〜ん、好かれたのはフェロモンのせいだから自分が悪いんですけど、ここまで仲間に攻撃されたら普通に嫌ですよ。」
私達の到着が遅かったら伏黒くんの命の危険だってあった。
呪詛師でもないのに味方の呪術師を攻撃するなんて血の気が多いんじゃないかって勝手に想像してしまう。
交流会で虎杖くんの生存が知れた時に虎杖くんがまた死ぬようなことになっても嫌だし。
そんなことを考えている内に寮の自分の部屋の前に着いていて、狗巻先輩に外で待ってもらって野薔薇ちゃんに貸すためのジャージを手に取った。
「お待たせしました。」
「しゃけ〜。」
狗巻先輩といるとほのぼのするなぁ。
この前みたいに押し倒されることもあるかもしれないけどそれでも安心感の方が強い。
五条先生とか宿儺みたいに積極的すぎるわけでもないし、恋愛対象って言うよりはお兄ちゃんって感じかもしれない。
そんなことを考えながらふわふわした気分で狗巻先輩の後をついていく。と、急に狗巻先輩が止まって背中にぶつかってしまった。
チラッと上を見るとこの前押し倒された時と同じ、ほんわかした狗巻先輩が一切いない表情をしていて一歩後ずさりをしようとする。が、それは狗巻先輩の腕によって止められた。
優しく、宝物を扱うように抱き締められて「え、」と声が漏れる。
そんな私の頭を狗巻先輩はこれまた優しく撫でた。
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作者名:もも | 作者ホームページ:https://mobile.twitter.com/Momo_UxxU_
作成日時:2021年2月2日 19時