Freiheit IV (ページ40)

今日:31 hit、昨日:26 hit、合計:466,722 hit

Rc27:想い出の欠片は金平糖と共にページ40

(あやみゃす様リク)

深澤｢佐久間｣
佐久間｢んあ？｣
ある日、非番で1日中ゴロゴロしていた佐久間の部屋に深澤が入ってきた。
手には小さな和装の袋。

深澤｢うわ、何か前よりもちょっと散らかってない？片付けなよ｣
佐久間｢んー、わかったよ…｣
深澤｢これ、ラウールがお土産って｣
佐久間｢おお！？金平糖じゃん！｣
深澤｢後でラウールに礼言っとけよ、後さ…｣
佐久間｢何？｣
深澤｢何か最近幼女のポスターばっかりじゃない？何？ロリコンなの？｣
佐久間｢……聞いてくれ…何でだか最近ちっちゃい女の子のやつにしか興味が湧かないんだ…｣
深澤｢…｣

哀れみを込めた目で、しかも何も言わずに静かに部屋から出た深澤に｢何か言ってよ！！！悲しくなるだろ！！｣と大声を出すもその後のレスポンスはなく。
早速貰った金平糖を1つ口に放り込み、ポリポリと噛み砕きながら、近場にあった本棚の整理を始める。
佐久間｢…お？｣
漫画に埋もれてあった白いアルバム。開くと、幼い頃の写真が入っていた。

佐久間｢…懐かしいなぁ…｣
子供の頃、それも阿部が佐久間の弟になってからの写真が多い。
子供の時から本当に正反対だなぁ、と海に行った時の写真を見て思う。
…このアルバム、自分が持ってて良かった。
阿部が持っていたら今頃きっと｢？｣となって捨てていたか、自分が兄だという事を忘れている事実に気付いてしまっていたかもしれない。

アルバムを読みながら、思い出すのは初めて会った時の事。
確か、10歳の時の冬の事だった気がする。
母に連れられて、新しいお家に行くよ、と言われたのだ。お兄ちゃんになるからちゃんと仲良くするのよ、とも言われた。
新しい家に着いて、新しい父に案内されて入った部屋で、初めて出会ったのだ。