Freiheit IV (ページ30)

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宮舘がその鍵のかかった部屋を見つけたのは数分後の事だった。
宮舘｢佐久間！｣
佐久間｢はいはーい？よっと、おりゃ！…OK何？｣
宮舘｢ここにガトリング撃ち込んでくれない？｣
佐久間｢へぇ、鍵のかかった部屋。りょーかい｣
宮舘｢こちら宮舘、2階に施錠された部屋発見、突入する｣

佐久間がガトリングを撃ち、脆くなったドアを2人で蹴破る。
中にあったのは電気の消えた大聖堂と、その中に佇む異質な立てかけられた棺。
宮舘が電気をつけ、顕になったそれにやはり異質な雰囲気を感じた2人は恐る恐る近付く。

岩本｢舘さん！｣
宮舘｢照、これ、どう思う｣
岩本｢…棺？｣
途端、ドン！と棺から何かを叩く音が聞こえた。
岩本｢うわぁ！｣
佐久間｢うわっ、本当照こういうの駄目だよね｣
宮舘｢…ふっか？｣

鍵を外し、そっと開けると、中からフラリ、と見覚えのある影が倒れてくる。
宮舘｢ふっか！｣
佐久間｢えっ、怖、何、ミイラ！？｣
深澤｢…危うくミイラになりかけたよ…｣
岩本｢ふっか、無事か？｣
深澤｢はは…俺が叩いたのに1番ビビってたくせに…｣
岩本｢いや、だってそれは、｣
佐久間｢ふっか見つかったー！｣

宮舘｢…クロユリ｣
佐久間｢え？｣
宮舘｢クロユリだ｣
宮舘が棺にぎゅうぎゅうに敷き詰められていた花を見て呟く。
岩本｢…埋葬する気だったのかよあいつら｣
深澤｢いや、違う……何か、これからも、見守り続けてくれ、とかなんとか…｣
宮舘｢神を永遠に閉じ込めたかったんだろ｣
岩本｢…ふざけんなよ、ふっかは人間だろ…｣

向井｢ふっかさん！｣
報告を聞き付けたメンバーが続々と駆け付けてきた。
阿部｢ふっか、大丈夫？B隊の隊長さんは軽傷、今ラウールと外で待ってもらってる｣
深澤｢そう…よかった、無事で｣
目黒｢まずは自分の心配したらどうなの｣

渡辺｢…舘さん、どうかしたの｣
メンバーが揃ってからもただずっと棺の中の黒い百合を見つめ続ける宮舘に、渡辺が声をかけた。
宮舘｢…クロユリの花言葉は｢呪い｣｣
その言葉に、何人かが目を向ける。
岩本｢呪い？｣
宮舘｢…皮肉だな｣
そう寂しげに呟いた彼に、他のメンバーも何も言えずにその花に目を向けた。

禍々しく、然れど凛と咲く、｢呪い｣の意味を持つ花と共に深澤が閉じ込められていたのは
確かに、皮肉そのものなのかもしれない。