Freiheit IV (ページ18)

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佐久間｢あべちゃーーん！！｣
入ってくるなり子犬のように飛びついてきた佐久間の突進は徹夜続きの体に思い切り響いた。
向井｢おかえりあべちゃん！｣
続く大型犬のように飛びついてきた向井に阿部のHPは0寸前であった。

佐久間｢…ってあべちゃん隈酷いよ！｣
向井｢ほんまや！やっぱΛ国ブラック組織過ぎやん！｣
佐久間｢毎日徹夜続きだったもんね！お疲れ様！｣
…何でこいつらが知っているんだ？
そう聞く前に、ここ数日外交モードで表情を貼り付けていたのと徹夜による緊張感が途切れ
佐久間｢わー！あべちゃんが倒れた！｣
やっと安心して眠れる、と突進して抱き着いた状態だった佐久間と向井にそのままもたれ掛かるように眠りについた。

＊

佐久間｢あべちゃん本当に隈凄かったよ！｣
宮舘｢掴んだ情報通りだったね｣
情報室にて、そんな話をする佐久間、宮舘の情報班2人は資料を見返す。
宮舘｢久しぶりに仕事してくれたね｣
佐久間｢ふふん、もっと褒めていいんだよ｣
宮舘｢調子に乗るな｣

今回、Λのブラックな内情を掴んできたのはほとんど佐久間であった。
それを深澤がα国上層部会議にて提出し、Λの内情をチラつかせ友好国に突撃しに行かない代わりに、阿部を連れ戻すように約束を取り付け、それで合計1週間。
第2回臨時会議にて、5日で、しかも佐久間が情報を集めてきたとなった時は全員が驚いたものだ。

佐久間｢…当たり前でしょ、｢亮平｣の為にって俺はここに入ってんだもん｣
そう言って誇らしげに笑う佐久間に、宮舘は｢いつもこの調子でやってくれたらいいんだけどな｣と悪態をつく。
モニター越しの阿部は時折寝返りを打ちながら眠っている。
きっとここ数日まともに眠れていなかったのだろう。緊張感も解けていなかったのだろう。

宮舘｢やっと｢家｣に戻って来れたしな｣
佐久間｢…そうだね｣
宮舘｢カレー作ってやるか、好きだったろ｣
佐久間｢おっ、いいねぇ！俺も手伝う！お母さんのカレー再現しようよ！｣
宮舘｢俺はお前らのお母さんの事知らないから教えてよ｣
佐久間｢任せてってー｣

そう笑いながら情報室を出た。
しばらくは、ゆっくりさせてあげよう。
数時間後、カレーの匂いで目を覚ました阿部に今度はラウールが突進し、寝起きの阿部がそのまま｢わぎゃ！｣という声をあげて転んで全員の腹筋を崩壊させた、らしい。