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これで何度目だろうか、シンメの苦痛の顔を見るのは。
これで何度目だろうか、大事な弟の狂う姿を見るのは。
佐久間は声にならない言葉を飲み込み、武器を刃物からトンファーに持ち替える。
抑えなきゃ、そう思い、阿部の意識を落とす為に頭を狙う。
キン──という音と共に、その武器を持つ手が弾かれた。
佐久間「え…?」
阿部の右手には長剣が握られている。先程の音の正体は間違いなくこれだろう。
白衣の青年はラウールを連れ、どこかへと歩く。
それを追うより前に、事態が飲み込めなかった。
…有り得ない。阿部が、こんなに早く動けるわけがない。
初撃は何とか避けきれたが、佐久間は普段とは打って変わった、暴走した時ですら見せなかった阿部の姿に動揺を隠せない。
だって、無駄の無い動きで、的確に相手の急所を突こうとしていて、今までの阿部なら絶対に動けるはずがない動き方で、
佐久間「気持ち悪い…」
まるでコンピューターみたいだった。今まで見てきたどんな「彼」でもない。
佐久間「違う…こんなの…こんなの「亮平」じゃない!」
それでも自分が傷付かないようにした。彼が戻った時、彼がショックを受けないように。
これが暴走の1つだと信じて疑わなかった。また戻ってくれる、少なくとも、「シンメ」に戻ってくれる、そう思わないと自分が発狂しそうだった。
防戦一方で、一体どれくらいの時間が経っただろうか。
機械的で、アンドロイドのような動きをしていた阿部の身体がガクリ、と一瞬傾いた。
早く意識を落としてあげなきゃ、そう思い、トンファーを持つ手を振り上げた。
阿部「…………に、いちゃ……?」
その言葉に、ビクリ、と手が止まる。
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凌央(プロフ) - 湊都さん» とんでもないです!楽しみにしていますね! (2020年2月21日 16時) (レス) id: 0708d16a2f (このIDを非表示/違反報告)
湊都(プロフ) - 凌央さん» 誠に申し訳ございません…。31個目なのでリクエストお受けする事が出来ないです。けど、リクエスト内容と淩央様のお気持ちを加味して、他の方のリクエストの時に少し挟めるよう尽力致します。このような形で申し訳ございません。 (2020年2月20日 22時) (レス) id: 9124562c1c (このIDを非表示/違反報告)
凌央(プロフ) - はじめまして。更新お疲れ様です。初リクエストで緊張しています。可能でしたら、それぞれの入団試験話を読みたいです。是非よろしくお願いします。 (2020年2月20日 22時) (レス) id: 0708d16a2f (このIDを非表示/違反報告)
ささ(プロフ) - はじめまして。いつも更新を楽しみにしています。リクエスト可能でしたら、S隊みんなで野外訓練しつつキャンプを楽しむような話が読んでみたいです。よろしくお願い致します。 (2020年2月20日 21時) (レス) id: da0f7ba994 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 文字数関係で連投になってしまい申し訳ありません。無理でしたらもちろんスルーして構いません。お忙しいと思いますがよろしくお願い致します。 (2020年2月20日 17時) (レス) id: 4ea8c2cdf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:湊都 | 作成日時:2020年2月13日 9時