story273 名家連続変死事件28 ページ30
Aside
私はしばらく康江さんを優しく励ましつつ高木さんの話を聞いて顔をしかめた
やっぱり何か引っかかるわね...この事件
早く解決してヒロキ達の所に帰りたいのも事実だ
「警部さん、遺体のポケットにこんな紙がありましたよ」
「【僕は君と結婚する資格はない...僕が犯.してしまった罪への償いとして死を選択する】こ、これは...遺書!幸さん、貴女宛の遺書だ!」
その時、遺体を見ていた松田さんが何かを見つけたらしく折り畳まれた一枚の紙を目暮警部に渡しており、目暮警部は折り畳まれた紙を広げて内容を見て驚きを隠せない表情になり、日向さんの名前を呼ぶと日向さんは目暮警部の元へ駆け寄る
「秀臣さんの字ですか?」
「えぇ、似てますけど...私、秀臣さんの部屋から彼が書いた物を何か持ってきます」
目暮警部が日向さんに遺書を見せながら秀臣さんの字なのかと問いかけると日向さんは字は似ているが本人が書いた字なのか確かめるべく秀臣さんの部屋から何か書いた物を何か持ってくると言って私達の元から離れていく様子を私は静かに見つめた
日向さんの表情は悲しみで満ちており、蘭ちゃんが焼け焦げた万年筆を持ちながら「幸さん。これ、池に落ちた万年筆...」と言って渡そうとするも日向さんは気づいていないのか分からないが、何も言わずに立ち去ってしまい、彼女の背中はとても辛そうな悲しそうな雰囲気が取れる
......あの様子だと今はそっとした方がいいわね
「あ、あの...」
『待って蘭ちゃん、今は一人にしてあげた方がいいわ。その万年筆は後で私が直接、彼女に渡すわ』
蘭ちゃんが日向さんの所へ行こうとした為、私は康江さんの元から離れて蘭ちゃんの元へ行きながら一人にしてあげた方がいい事と万年筆は私が本人に渡すと言えば蘭ちゃんは焼け焦げた万年筆を渡してくれた
その後、私は新一君や服部君を連れてある場所に行き、日向さんが父親の形見として大切にしている焼け焦げた万年筆をじっくり観察していた
ちなみに康江さんは蘭ちゃん達が見てくれるとの事で今は別々に行動している
「ホンマ、ずいぶん焼けただれとんなこの万年筆」
焼け焦げた万年筆をじっくり観察していると服部君が私の隣に来てずいぶん焼けただれていると言っていた
まあ、大火事から出てきた物だから焼けただれてしまうのも無理はないわね...
「妙だな...」
「あぁ。めっちゃおかしいで、この事件」
新一君が妙だと言っており、服部君もこの事件はおかしいと言っていた
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作者名:黒羽明菜 | 作成日時:2018年7月3日 12時