勝率0% / anew+n ページ32
「ああクソ、クソ、クソ！アンタが居なければ私が愛される筈だったのに！邪魔だなぁ、もう！」
ぼさぼさの髪を振り乱し、首を絞める力を強める女。
愛されるだのなんだのと、どうでもいい事で殺されそうになって、不幸にも程があるだろう。
いっそ死んでしまった方が楽なのでは？一度考えてしまえば名案だとばかりに肯定感が生まれ、抵抗を止めてしまう。
元々抵抗は弱いものだったが酸欠の苦しさに視界が霞み、はくはくと無様に開閉する唇は細かく震えていく。
私に馬乗りになっている彼女の目はごうごうと嫉妬に燃えていて、どうしてそんなに愛される事に執着出来るのか不思議だ。
ふっと目の前が真っ暗になった瞬間私に圧し掛かっていた体重は消え、呼吸が出来るようになる。
残る苦しさに咳こんで四つん這いになるように身動ぎし、滲む涙が睫を濡らす。激しく揺れる背中を誰かが落ち着かせるように撫でた。
「はっ、ぁ……？」
「遅くなってごめんね。落ち着いて、呼吸して」
「のー、とん…いそっぷ…？」
「はい。もう、大丈夫ですから」
ノートンの筋肉質な胸に額を押し付け、言われた通り必死に息をして呼吸を整える。優しく背を往復するイソップの手に安心感を憶えた。
チラリと見上げれば、四人分の足が見えた。彼女の露出した足だけが肌色を見せていて、それ以外の三人は全て布に包まれているのだから変に目立っている。
「な、んで…！何で何で何で！邪魔しないでよ！私達の幸せの為にはコイツは居ちゃいけないのよ！それなのに、どうして止めるの！！？もう少しだったのに…！！」
彼女は対峙している三人を睨むとヒステリックに叫び始める。髪をかき乱し半狂乱状態で暴れる姿は、あまりにも可哀想だ。
殺されかけたばかりだというのに、彼女の必死に愛を求める姿に同情を覚えた。
「私"達"？お前だけの幸せの間違いだろ？俺達はAが居ることこそが幸せなんだよ」
ウィルがチラリと私を振り返り、安堵したかのように目を細めた。それでも前を向く瞬間にはその目は射殺さんとばかりに鋭くギラつく。
「邪魔してるのはどっちだよ。Aを傷付けやがって、覚悟できてんだろうな？」
今にも愛刀を手に飛びかかりそうなナワーブ。纏うオーラはさながら獣のようで、彼の喉はグルルと唸り声を上げそうだ。
そんな敵意むき出しの二人に彼女は怯み、それでも「貴方は分かってくれるでしょ？！」とイライに縋り付く。
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める@黒執事(プロフ) - リパ様えちえちだ…。鼻血が止まらん… (2019年11月18日 23時) (
レス) id: 62ac38a52f (このIDを非表示/違反報告)
Lonely(プロフ) - りんご?さん» 閲覧、コメントありがとうございます。マリー様良いですよね〜！下僕になりたい欲望をぶつけて書きました(´ω`*)気に入ってくださったようでなによりです！ (2019年10月5日 23時) (レス) id: b9652ac74b (このIDを非表示/違反報告)
Lonely(プロフ) - 玲さん» 閲覧、コメント、リクエストありがとうございます。楽しんでいただけているのなら書いている甲斐がありました！悲しさを表現できるかどうか分かりませんが、最善を尽くさせていただきます…！想像と違うものが出来上がっても何卒ご容赦を……!(′･ω･`*) (2019年10月5日 23時) (レス) id: b9652ac74b (このIDを非表示/違反報告)
りんご?(プロフ) - 血の女王好きなので小説で書かれていて何度も読んでしまいました！！笑笑 (2019年10月3日 1時) (レス) id: a099461a17 (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます！リクエスト？があるのですが「脳に刻む&骨に刻む」の失恋バージョンを読んでみたいです。主人公ちゃんとイライが交際していることを知ったナワーブ君が見てみたい！(←ただの変態でごめんさい！ (2019年9月24日 20時) (レス) id: 750579a695 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遊歩 x他1人 | 作成日時：2019年1月5日 10時
