春先の日差し / 占い師 ページ26
愛してる。心の底から。
他の男に笑い掛けているのを見るのは面白くないけど、こちらに笑い掛けている時の表情はとってもかわいい。
ご飯を食べる時の一口が小さくて、いつもみんなに一足遅れて皿を片付けている背中を見るのは私の中では夜の恒例だ。
「イライ、何してるの？」
「……」
こうやって、私の姿を見付ける度にこちらへやって来てくれるところ。一種の征服欲というか優越感というか、そういったものが満たされる感覚が堪らない。
Aの事を考えてたんだ。とは素直に言えなくて、開きかけた口は再び閉じられる。
膝の上で羽繕いをしていた相棒がジトリとこちらを見上げて睨んだ。分かってる、本当に、でもAを前にすると恥ずかしくて言葉が出ないんだ。
「…相棒と日光浴を」
「へぇ、気持ち良かった？」
指先で優しく頬を撫でられた相棒が、きゅぅ、と目を瞑って気持ち良さそうな声で鳴く。いいよな、お前は可愛さ全力投球で。
今度は私が相棒をジトリを見下ろすろ相棒はやれやれと言わんばかりに翼を羽ばたかせ、そのまま近くの木の枝へ飛び立った。
きっと相棒は二人きりにと気を遣ってくれたんだろうが、彼女を前にすると無能具合に拍車がかかる私には余計なお世話でしかない。
相棒の頬を撫でていた指を引っ込ませ、心なしかショックを受けたような表情をしているA。おおかた、相棒が撫でられるのが嫌で逃げたとでも勘違いしているのだろう。
「隣、よかったらどうぞ」
「え、あ、いいの？」
「勿論、ダメな理由はないよ」
座っても、何をする訳でもなく喋る訳でもなく、ただただ日光を浴びて空を見上げる。相棒をちらりと見ると、目を瞑って寝ているみたいだった。
さあ、と爽やかな風が彼女の髪を揺らして靡かせる。顔にかかって鬱陶しかったのか、髪を耳に掛ける仕草に思わず見入る。惚れた弱みか、Aがどんな事をしても絵画の様に美しく、一枚の写真になってしまうのだから恐ろしい。
「…平和だねぇ」
「…そうだね」
身動ぎして、不意に私の手とAの手が触れ合う。手袋をしていたら一瞬の触れ合いなんて温もりを感じる事も出来なかったけど。
「っ、あー、何か、熱いなぁ」
パッと手を引っ込めて、そっぽを向くAの耳がじんわりと赤みを帯びているのが見える。
「今日は、日差しが強いかもしれない」
「あはは、やっぱり？」
こんな距離で見る照れ笑いに酷く愛おしさを感じた。
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める@黒執事(プロフ) - リパ様えちえちだ…。鼻血が止まらん… (2019年11月18日 23時) (
レス) id: 62ac38a52f (このIDを非表示/違反報告)
Lonely(プロフ) - りんご?さん» 閲覧、コメントありがとうございます。マリー様良いですよね〜！下僕になりたい欲望をぶつけて書きました(´ω`*)気に入ってくださったようでなによりです！ (2019年10月5日 23時) (レス) id: b9652ac74b (このIDを非表示/違反報告)
Lonely(プロフ) - 玲さん» 閲覧、コメント、リクエストありがとうございます。楽しんでいただけているのなら書いている甲斐がありました！悲しさを表現できるかどうか分かりませんが、最善を尽くさせていただきます…！想像と違うものが出来上がっても何卒ご容赦を……!(′･ω･`*) (2019年10月5日 23時) (レス) id: b9652ac74b (このIDを非表示/違反報告)
りんご?(プロフ) - 血の女王好きなので小説で書かれていて何度も読んでしまいました！！笑笑 (2019年10月3日 1時) (レス) id: a099461a17 (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいてます！リクエスト？があるのですが「脳に刻む&骨に刻む」の失恋バージョンを読んでみたいです。主人公ちゃんとイライが交際していることを知ったナワーブ君が見てみたい！(←ただの変態でごめんさい！ (2019年9月24日 20時) (レス) id: 750579a695 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：遊歩 x他1人 | 作成日時：2019年1月5日 10時
