乳腺腺維腺腫3 ページ3
翔サイド
廊下でドサっと何かが倒れる音が聞こえたので慌てて出てみるとAがうずくまっていた。
すぐにかけよると
過呼吸？パニック？
呼びかけにも反応しないし手足はこわばって冷たくなってる。
背中も汗でぐっしょりだ。
すると物音で目が覚めたのか和も部屋から出てきてくれた。
「俺が気づいたのがほんの数分前。いつからここでこうしてるのかはわかんないけど。」
和「過呼吸？」
「ぽいね。だいぶ酷い。」
和「とりあえずベッドに移動させてあげよう。」
よいしょっと抱き上げようとしても体が硬直してしまっている。
和「2人で支えて運ぼう。」
和がすぐにヘルプに入ってくれた。
部屋の電気をつけて全身の状態を診てみる。
和「だいぶ脈速いね、呼吸も25超えてるよ。A、ゆっくり吐き出してごらん。」
大きめの声で話しかけながらゆっくり背中さすってやってる和。
「どうしたんだろう急に。」
和「ここ数日ちょっといつもと様子が違うなとは思ってたんだけど。」
「疲労で過呼吸起こすかな？しばらく背中さすってあげて呼吸整うようにみててあげて。ドクターズバッグ取ってくるから。」
バッグを取りに部屋に戻る短い時間の間にあれこれ考える。
過呼吸はパニックを起こすほどのストレスってなんだろう。
しかもここまで全身に硬直が出るほどのストレスなりがあるってこと。
Aの部屋に戻ると和もベッドにあがり身体を密着させてゆっくりと背中さすってあげている。きっとねこういう役目は和がするのが一番なんだよね。
「どう？」
和「ちょっとは体の力抜けてきたかなって感じだけど。まだ辛そうだよ。」
確かに、はぁはぁと荒い呼吸が響いている。
「ちょっとごめんねぇA。心臓の音だけ聞かせてよ念のためにね。」
和がさっとパジャマの下に隙間を作ってくれたので手を滑り込ませる。
和「大丈夫だからねーA。翔にぃも和にぃもここにいるでしょ。何にも心配しなくて良いからねー。ゆーーーっくり息してごらん。特に吐くときにゆーーっくりだよ。」
和の声がAのドックンドックンうるさい鼓動の後ろから聞こえてくる。
数箇所心音だけさっと聞く。
「速いけどリズムも問題ないし雑音もないから臨床的には構わないけど、本人が落ち着かなくてしんどいと思うなぁ。どのくらい経った？」
和「10分くらいはこんな感じだよね。」
「ちょっと落ち着くお薬打ってあげようか。身体もその方が早く楽になるし。」
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作者名：ルパン
| 作成日時：2016年8月28日 21時
