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腸炎5 ページ18

翔サイド

「もう1本ルート取ってくれる和?」

すぐにテキパキと動き出してくれた。
高熱と肌の乾燥、おまけに腹痛で何度もトイレ往復していたのだとすると...
点滴1パックでは力不足。

「Aお腹ずっと痛かった?」

ぎゅっと目を瞑って痛みに耐えている姿が痛々しい。
少しでも頷いたりして伝えてくれるかなと期待してAの顔の近くまで近寄る。

和「こっちの腕も貸してねーA。」

狭いベッドにあがり器用にAの腕に触れている。

雅「とりあえずメチロンだけ注射させてね。熱下げれば体力少しでも温存できるから。」

3人がそれぞれやることをやって少しでも早く今の状態からAを救ってあげたいと行動している。

「Aお腹どの辺りが痛い?上の方かな、みぞおち?」

反応なし。

「真ん中あたり?お臍のまわりら辺?」

反応ない。

荒い息だけが響く。

雅「ちょっとチクっとするねー肩痛いけど動かないでよ。」

雅が注射器構えたのを確認してAが動かないように保定する。
ゆっくりと薬液が注入されてるけど肩の痛みよりもお腹の痛みの方がよっぽど強いんだろう、全然動かない。

「はい、おしまい。よく頑張りました。」

雅「ここしっかりモミモミしておくからねーA。」

こういう緊張している時でも雅の明るい声のおかげで和らぐ。

「お腹は下の方が痛い?」

A「...う、ん。」

ん?返事したのか痛みで声が漏れたのか?
もう一度下腹部に少し手を置いて聞いてみる。

「お腹はこの下の方が痛いのA?」

うんうんと2回頷いた。

雅「下腹部痛なんだね。生理痛ではないかな。ちょっとごめんなぁA。」

素早くズボンと下着に手をかけてさっと覗いた雅。

雅「生理ではないね。出血もしてない。」

「ありがと。じゃちょっとお腹診させてくれる?仰向けになれそうかな?」

首を今度は横に2回振る。

和「点滴こっちも繋いだよ。」

いつの間にか綺麗に針が固定されて滴下速度まで調整されていた。

和「A仰向けになって翔兄にお腹診てもらおうよ。ずっと一人でしんどかったね。もう大丈夫だからな。」

また背中を優しくさすってやっている。
こういう言葉にAは今まで何度も何度も癒されてきたんだろうね。

頑張って仰向けになろうとするので支えてやる。
でも、痛みでかじっとせず足を動かしてしまう。

雅「俺押さえてるからさっと診て。オペ腹かどうか確かめてくれてくれる?」

「オッケ。ごめんなA。痛いよなぁ。」

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作者名:ルパン | 作成日時:2016年8月28日 21時

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