腸炎2 ページ15
Aサイド
あ、行っちゃった...
いまだにトイレにいる私にまで玄関のドアの閉まる音が聞こえた。
普段ならもうちょっとあれこれ聞いてくれるのに。
忙しいから仕方ないよね。
とりあえず部屋に戻ってあったかくして寝よう。
潤兄帰ってきてくれたらきっと様子診に来てくれるだろうし。
のっそりのっそり歩いて部屋に戻りそっとベッドに身体を横たえる。
お腹痛いときはあっためるんだよ。
お腹下してるときはいつもより水分たくさんとるんだよ。
冷たいものは控えてあったかくて刺激の少ないものにするんだよ。
お兄ちゃんたちの優しい顔と声が浮かぶ。
お腹に余分にタオルケット載せてっと。
これで少しでも落ち着いてくれたら良いけど。
寝ようと思って目を閉じてもなかなか寝付けず。
でも身体は疲れているのかウトウトはする。
目が覚めるたびにスマホに手をのばし時間を確認するんだけど、
さっき見てから10分とか15分とかして経ってなくて。
やっと9時過ぎ。
はぁ、耳を澄ましてみるけど家に誰かいるような気配はない。
普段ならメッセージなり電話なりで連絡してきてくれるのにそれもない。
よっぽど忙しいのか...仕方ないよね。
またトイレ...
起き上がるのもしんどくなってきたので、這ってトイレまで行った。
腰を下ろすとまたびしゃびしゃと水が打ちつけられる音。
こんなに出たらお腹の中空っぽになるんじゃないかってくらい。
トイレットペーパーでふいてみてもただの水分なのか便の色もついていない。
水分取らなきゃ、でも下まで降りる元気ないし。
身体も熱くなってきて目を閉じると瞼の裏まで熱い。
熱あるのかな？唇もカサカサしてる。
体温計も下まで行かないとない。
下手に動いて階段から落ちても怖いし、きっと誰かはもうすぐ帰ってくるはず。
そう信じて、いや祈って、またトイレから部屋まで這って戻った。
ああっ、痛いぃぃ。うううううーーー。はっはっ。ぐううぅぅ。
....んんん、んぅんぅ...
これ以上からだ丸くならないってくらいまで丸くなっても痛みが治まらない。
はぁはぁはぁ。
誰か...はやく...お願い...
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作者名：ルパン
| 作成日時：2016年8月28日 21時
