乳腺腺維腺腫12 ページ12
雅サイド
「最初の麻酔の針だけ痛いけどあとは平気だからこれだけ頑張ろうA。」
潤から乳腺腺維腺腫確定診断のためのマンモトームお願いされて。
ちょうど次の日の午後すぐ予定が空いていたので早速検査することに。
兄弟全員集合でAも緊張してるけど、俺もね。
こんな大勢のドクターに見られながらするのってなんかテスト受けてるみたい、笑。
翔「キシロカイン防腐剤入ってないやつ確認した。はい。」
翔兄が麻酔薬のシリンジを手渡してくれた。
和「もし気分悪くなったら我慢しないですぐに教えてね。検査時間てどのくらい？」
「すぐだよ。5分もかからない。エコーで腫瘍の位置確認したら針で組織吸上げてってするだけだから。念のために、2箇所から採取させてね。」
和「何で？」
「万が一にもないとは思うけど、たまたま採取した箇所に悪性の細胞がないってことも可能性としてはあるから。だから最近は摘出したものを生検するんじゃなくて、針生検の時は数箇所から組織採取するのがベターって言われてるの。」
翔「両方から何もでなければ大丈夫ってこと？」
「うん。念には念を入れてってことだからそんな心配しないで。スタンダードな手技だよ。」
智「一応血圧だけモニターする？」
答えを聞かずAの腕にマンシェット巻きつけている智兄。
念のためね、A我慢しちゃうこと多いし。
「じゃちょっとチクっとするよー。」
さっとアルコール綿で拭いて針を刺す。
潤「大丈夫大丈夫。ゆっくり深呼吸してごらん。2回したら終わってるから。」
一緒にすーーーーっと大きく吸い込んでふぅぅぅーーーって吐き出してる潤。
智「検査結果どのくらいでわかるの？」
潤「問題なければ1週間あれば確実だね。怪しい細胞があればより精密な組織検査に回るからもう少しかかるかもだけど。一応俺と雅兄自身の目でも確認するから安心して。」
「Aもう麻酔の注射終わったよ。気分悪くない？」
血圧モニター確認しても110／70と安定している。
翔「5分くらい待ってね。」
検査室に来てから一言も発してないA。
「大丈夫A？気分悪くない？寒かったりもしない？」
A「うん...」
一言だけだけどAの声が聞けてよかった。
「よし、そろそろ麻酔効いてきたかなー。針刺すときちょっと大きい音なってびっくりするかもだけど痛みはないから安心してね。刺す時は必ず声かけるからね。」
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作者名：ルパン
| 作成日時：2016年8月28日 21時
