風邪ひき潤くん4 ページ38
和サイド
翔兄呼ぶにしてもある程度状態わかってからじゃないとね。
忙しい救急ほったらかして来てもらうにはそれなりの理由が必要。
「翔にぃのこと呼ぶの？お熱だけ測ってからにしようよ潤。」
潤「やぁーーーーっ。翔にぃなのぉ〜。」
ならなんで救急に行かなかったんだ？
まぁ忙しい救急にいる翔兄に迷惑かけちゃいけないなって思ったんだろうね。
にしても、そんなに翔兄、翔兄、言われたら俺だって地味に傷ついちゃうじゃん。
俺だって優しいお兄ちゃんなのにぃー。
「じゃ翔兄呼ぶ？すぐ来てくれると思うけど、潤どうしたのぉー、もしもしさせてよーって心配しちゃうよ？」
潤「やぁ〜。潤くんお風邪なのぉー。」
「風邪引いたの？咳コンコンなる？」
首を横に振る。
「喉痛いのかな？」
また首を横に振る。
「頭痛い痛いなる？ポンポン痛い痛いなら隣から智兄呼んでこれるよ？すぐそこだから。」
潤「痛い痛いないもん...翔にぃーーー。」
埒があかない...
でも咳も出ないし、どこも痛くないのに、風邪引いたってどういうことなんだろう。
「翔にぃ呼んであげるからお熱だけピーッて測ろうね潤。」
むーとかくぅーとか音聞こえてくるけど、とりあえず熱だけは測らせてもらおう。
潤「やぁぁぁ〜。」
「はいはい、大きい声出したら余計しんどくなっちゃうからね潤。静かにしててよー。動いちゃだめよ。」
もぞもぞ動こうとするので背中に優しく手を当てると大人しくなった。
ピピピッとなったので体温計を取り出すと表示されたのは36度6分。
平熱だね。
「お熱ないよ潤。翔兄呼ぶの？」
潤「翔にぃ〜翔にぃーーーー。」
なんて言って呼び出したらよいのかわかんないけど、とりあえず来てもらおうかな。
「わかった。今電話してすぐに来てって言ってあげるからもうちょっと待ってよ。ほら、白衣だけぬいじゃおう。しわくちゃになっちゃうから、ね？」
ごそごそ動いて白衣を脱ごうとする潤に手を貸しながら、反対の手で院内PHSで翔兄を呼び出す。
はやっ、相変わらず1コールで出た。
『もっしもーし、どしたぁ？』
この声安心する。
「翔兄、今さ俺の外来に潤来てるんだけど、翔兄のことずーっと呼んでるの。今ちょっと抜けてこっち来れない？」
『ちょうど今からランチ行くところだから時間あるけど、潤どうしたの?』
そりゃそうなるよね...
「どうしたのかわかんないの。風邪引いたって言ってぐずってる...熱は36度6分。」
『とりあえずすぐそっち行くね。』
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作者名：ルパン
| 作成日時：2015年7月15日 21時
