風邪ひき潤くん3 ページ37
和サイド
外来も後1人で終わるー。
今日はわりとペース良く診れたから昼休憩しっかり確保できそうだな。
こんなこともたまにはあるんだねー。
1時間まるまるちゃんと取れることなんてそうないからなぁ。
最後の患者さんはずーっと通院してるおばあちゃん。
ほとんど世間話と簡単な診察だけなんだけど、必ず月一回は受診してくれるから大きな病気見逃したりする心配がない。
「じゃぁまた来月会いに来てよ。それまで元気で過ごしてね。季節の変わり目だから具合悪くなったら来月まで待たなくて良いから来てね。」
何度も頭下げながら診察室を後にしたおばあちゃん。可愛いよなぁ。
いつまでも元気で長生きして欲しい。
聴診器を首から取って机の上に置く。
案外肩凝るんだよね、結構重さあるからさ。
昼休み行く前にカルテ入力だけ頑張ってすませてしまおう。
ふーっと息を吐き出して軽くストレッチする。
突然音もなく診察室のスライドドアが開いてびっくりして視線を向けると潤が立っていた。
しかもなんか泣きそうになってない？え？は？どしたの？
「潤？どした？」
そう声をかけると返事もせずにバタバタと診察室に入ってきてそのまま診察台に寝転がって背中を向けてしまった。
えーっと。どうしたら良いのかな...
具合悪いっていうことで良いんだよね。
とりあえずカルテ入力の手を止めて立ち上がり診察台のそばまで移動する。
背中に手を当てながら優しく優しく声をかける。
「じゅーん、どうしたのぉ？ん？」
耳にかかった髪にさりげなく触れるように首筋で熱を確かめる。
熱あるかなーどうかなーって感じ。ほんのりあったかい。
「お熱かなぁ？お熱あってしんどいなーってなったの潤？」
返事がない。
わざわざ結構離れてる呼吸器まできたんだから何かあるはずなんだけど。
「お熱だけ測っても良い？お耳ちょっとだけくすぐったいよ。」
振り返って机の上の体温計を手に取り潤の方を向くと手で耳塞いでる...
えーっと...地味に抵抗してるってことかな？まぁ、そういうことか...
潤の手に手を重ねてそっとどけようとしても案外強い力で...
「しんどいから和にぃのところまで来たんじゃないの？お耳でピッてするだけだから、ね？」
潤「んーーーやぁ〜。翔にぃ〜。」
わざわざ俺のところまで来て翔兄のこと呼ばなくても良いじゃないか潤。
俺だって何気に傷ついちゃうよー。
まぁ翔兄だったら潤が呼んでるって言えばすぐに来てくれるとは思うけど。
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作者名：ルパン
| 作成日時：2015年7月15日 21時
