大丈夫、雅?9 ページ33
潤サイド
ドアのノックの音？
ん？しばらく不確かだったけど、何度かドアが叩かれてるのを聞いているうちに目が覚めた。
急いでドアを開けると翔兄が立っていた。
雅兄、具合悪くなっちゃったのかな。
翔「寝てるとこ起こしてごめんな。雅の腹痛ちょっと気になるから今から病院連れて行く。」
「大丈夫なの？」
こんな時間に救急まで連れて行くって、しかも翔兄の判断となると心配になる。
翔「まぁ意識もしっかりしてるから大丈夫だとは思うけど。痛みで目が覚めたみたいだし熱も全然下がってないから念のためね。その方が俺も安心だし。」
「一緒に行くよ。」
翔兄と話してたら目が覚めたし、それにどうせ気になってゆっくり眠れそうにもない。
翔兄一人で車まで運んでって大変だろうし。
翔「いいの？明日も普通に出勤でしょ？」
「翔兄だって同じじゃん。俺、車出してくるから翔兄は雅兄のこと連れてきてあげて。」
Tシャツとズボンだけ着替えて鍵をつかむ。
1階に下りる前に雅兄の部屋を覗くことに。
ベッドの上で丸くなって、うんうん唸ってる。
「大丈夫？」
明らかに大丈夫そうじゃないんだけど...
雅「うん、心配しなくていいよ。はぁはぁはぁ。」
いや心配になるよ。
翔「痛み止めだけ打っておこうね。病院着いたらちゃんと診てあげるけど、それまで我慢するのしんどいでしょ？」
コクンコクン頷くのと翔兄が注射準備してるのを見て、鍵をズボンのポケットに突っ込み雅兄の肩を露出させる。
「胃腸炎？」
翔「下痢も嘔吐もないからその可能性は低いと思うんだけど。じゃちょっとチクッとするよー。すぐだからね。潤、肩しっかり押さえててあげてね。」
プスっと針が刺さるのを見ると自分の肩にまで痛みが走る感じがする。
雅「翔にぃ、痛い、お腹、い、痛い...」
翔「うん、痛いなぁ。痛いのやだねー。潤も一緒に病院まで来てくれるって言ってるから頑張ろうな。起き上がれる？」
雅「む、無理...動けないよ、い、痛い。」
我慢強い雅兄が動けないっていうほどの痛み...
「じゃ俺がおんぶしてあげるから、ここ乗っかって、ほら。」
背中向けてしゃがむ。
翔「じゃ雅、潤に車までおんぶしてもらうな。ゆっくりでいいよ。」
うーん、うーんと低い唸り声が響く。
「しっかり掴まっててね。ゆっくり歩くけど響いて痛かったりしたら教えてよ。」
翔「ありがとうな潤。」
お兄ちゃんたちの役に立てて嬉しいんだから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 729人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルパン
| 作成日時：2015年7月15日 21時
