手足口病(潤)2 ページ2
潤サイド
昼過ぎから急に襲ってきた悪寒と体の痛み。
なんとか気力で乗り切ったんだけど...
5時の終業と同時に死ぬかと思うほど体が重たくなって誰にもちゃんと挨拶もせずに帰宅してしまった。
とりあえず何か飲まないとやばいと思いペットボトル枕元に置いたのまでは記憶にあるんだけど。
翔「頑張って体起こして潤。とりあえず水分取ろう、それに解熱鎮痛剤も。」
「無理...」
体に力は入らないし体勢かえるのすらしんどい。
寝返りってどうやって打つの？っていうくらい体が動かない。
雅「ほら頑張って。支えてあげるから、せーので起こすよ体。」
そう言って勝手にせーのって掛け声かけてグイっと体を引き上げられた。
「あああ...ううぅぅ...」
頭も痛いし動いたせいでぐわーって回転してるみたいだ。
翔「はい口開けて、これ薬。昼ちゃんと食べてないみたいだから胃に負担かけないやつだから大丈夫。」
口の中もあっちこっち痛いんだよな...
口内炎？ていうか水ぶくれ？なんかただれてるみたいになってる気がする。
鏡で見たわけじゃないけど舌で触れてみた感じではポツポツとできている。
頑張って小さく口を開けてみる。
翔「もうちょい頑張って潤。喉痛いとかない？雅、ペンライトと舌圧子取ってくれる？」
翔兄の隣でゴソゴソとカバンの中をあさってる雅兄。
雅「はい、どうぞ。輸液パックないねー。生食もリンゲルもなーんもない。痛み止めのアンプルもないし抗生剤もないわ。ほとんど役に立たないただのカバンだわ、これ。」
翔「今ならまだ智兄も和も病院にいると思うから連絡取ってくれる？アンプル薬剤部が出さなかったら救急から取ってきても良いよって伝えて。はい、じゃ潤はお口あーんだよ。」
ペンライトと舌圧子を目の前で構えてる翔兄。
翔「口あけると痛いの？もう少し開けれない？あれ？口内炎？」
あ、やっぱりできてるんだ。
頑張って開けようと思っても限界...
狭いところから舌圧子が入ってきてあっちこっち口の中触れるんだけどその度に激痛で悲鳴があがる。
「ひぃーー。いいぃったい..ああぁぁ...」
ペンライトで口の中を照らしながら目の前で翔兄の顔がいろんな向きに動き小さな隙間から口の中を覗こうとしている。
翔「あーあー。ちょっと手見せて、潤。」
寒いから布団かけてるのに剥がされて両手をつかまれた。
翔「潤、これ多分ていうか十中八九手足口病だわ。どこでもらってきたんろう。」
まじ？えーーー...
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 729人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ルパン
| 作成日時：2015年7月15日 21時
