兄達はスーパードクターズ2 (ページ48)

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過多月経1 ページ48

翔サイド

あれー？あの人まだあそこに座ってる。

救急センターの入り口から病院のロビーが見えるようになっている。
ロビーのソファに今朝からずっと座っている人の姿がある。

最初は診察待ちの患者さんだろうと気にしなかったが
もうすでに3時間近くになる。
しかも、全然動いてない。
もしかして具合でも悪いのかな。ちょっと見に行こうと歩き始めたとき。

その人の身体がぐわーんと横に揺れ倒れ込むように
ソファにドスンと身体を打ちつけた。
慌てて走ってかけよる。

「どうしました？大丈夫ですか？」

顔はよく見えないが冷や汗が出て小刻みに震えている。
すぐに手を取り脈を確認すると弱く速い。

顔を覗き込むと
え？A？いつもの服装と雰囲気が違うから全然気づかなかった。

何でこんなとこに？具合悪くて俺らの誰かに会いに来たのかな？
でもここから動けなくなったとか？

俺の心臓もバクバクしている。

「おい、A、A、わかる？どうした？どこか痛いのか？」

肩を少し揺らしながら問いかける。反応悪いな。

「ちょっと動かすよ。
すぐそこ救急センターだから俺に掴まってよー。」

そう言って身体を支え立ち上がらせたとき、
ソファに赤黒い染みがついてるのが見えた。

下血か？おそらく生理中で出血量が多いんだろう。
でもソファを染めるほどの出血量は異常だ。

「A、今生理中なの？すごい多い量で心配でここまで来たの？」

かすかに頷くA。良かったーとりあえずまだ意識はあるみたい。
まあ時間の問題だろうけど。

ストレッチャー持ってくるよりおぶったほうが速いと思い、
背中に乗っけて救急センターまで走る。

院内PHSですぐに潤を呼ぶ。
息を切らしながら、ものすごいスピードで走ってきた。

潤「ごめん！遅くなった。
翔兄、どんな感じ？何があったの？」

「おそらく急激な大量の出血で血圧低下に頻脈。
プレショックとまではいかないけど、止血剤と鉄剤とりあえず点滴でおとしてる」

まだ青白い顔をしたままカーテンで仕切られたベッドの上で
横たわっているAの姿が痛々しい。
腕には点滴がつながっており、
血圧や心拍をモニターする機器にもつながれている姿を見るとかわいそうだ。

救急の目的はとりあえず重篤な容態を安定させること。
ここからは潤に任せたほうが良さそうだな。