兄達はスーパードクターズ2 (ページ5)

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肺気胸(雅)5 ページ5

智サイド

全く相変わらず雅は無理をしすぎる。
頑張るのは大事なことだけど、身体壊したら意味ないのに。

まあディナーまでゆっくりお休み。
リビングのソファでぐったりした様子で寝ている雅に布団をかけてやった。

しばらくして、突然、
ううーと唸りだし、イタタタタという声とともに
雅が右胸を押さえ呼吸困難を起こしかけている。

「翔！和！すぐに来て！」

大声で2人を呼ぶ。

翔が急いで雅のそばに駆け寄り、
タイを緩めながらシャツのボタンを素早く外していく。

翔「どこが苦しい？息を吸ったり吐いたりすると痛むのか？」

そう聞きながら、右胸部を打診していく。
それから耳を直に雅の胸にあて呼吸音を確認していく。

その間も痛みに顔をしかめ息がしづらそうにする雅。
僕は雅の痛みが少しでも和らぐように、
大丈夫だからねーと声をかけながら優しく頭を撫で続けた。

翔「右の呼吸音が弱い。打診で鼓音も見られたからおそらく気胸だね。
すぐにエア抜いてあげたほうが良いと思う。
この程度ならドレーンいれなくてもギリギリいけそうだと思う。」

和が聴診器を片手に慌てて2階から降りてきた。

和「雅、どう？」

イヤーピースを耳にはめて、雅の横に腰をおろし聴診を始める和。
丁寧に数箇所の聴診を終えて

和「右肺の自然気胸だね。だいぶ息しづらそうだから、
脱気してあげよう。16Gか18Gのニードルあったよね？翔兄？」

翔「確かあったはず。ちょっと待ってよ。
16Gないけど、18Gならある。2本刺せば十分脱気できるよ。」

そう言って、翔はかばんの中から針を2本取り出し、
さっと雅の胸部を消毒した。

針を刺す位置を見失わないために、
左手の中指と人指し指を第2肋骨と第3肋骨にあてがい
プスと勢いよく針を刺した。