兄達はスーパードクターズ2 (ページ32)

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虫垂炎手術(智)2 ページ32

和サイド

リビングへ入ると翔兄が柄の長いスプーンを智兄の口に突っ込み
智兄はあーーーって大きな声出してる。
そんな大きな声出さないでも大丈夫だと思うけど。

抗生剤がどうのこうのって言ってるから
智兄が扁桃腺炎にもなったか？
でも昨日の夜も喉痛いなんて一言も言ってなかったけどなー。
ご飯も普通に食べてたし。

「扁桃腺腫れちゃった、智兄？」

翔「扁桃腺炎かなーっと思って、てなんとも曖昧なこと言うから
今、診てみたんだけど、何ともなってないの。
赤くすらなってない。首のリンパも普通だしね。」

「どれどれ？ちょっと診せて？はい、智兄、あーーってして。
本当だ、何ともないよ。喉痛いの？」

素直に口をあけた智兄だけど、なんかちょっとばつの悪そうな顔をしてる。

智「ごめん、ごめん、ちょっと喉痛かったから、もしかしてーって思って。
あくまでも、予防でね、予防のために抗生剤を飲もうかなーって
ちょっと思っただけだから。ほら、早くしないと遅刻するよ。」

「予防で抗生剤って、そういうのが抗生剤の耐性を作って、ここぞって時に
効かなくなるんだから。無駄に飲まないほうが良いよ、智兄。」

智「わかってる、わかってるよ、和。
でも、念のために持っておくね」

その一連のやりとりを見ていた雅が

雅「まさか、またお腹痛くなっちゃった？
この間、虫垂炎になって抗生剤で散らしたけど、もしかして再発？」

翔「え？そうなの智兄？もし再発なら散らさないほうが良いよ、なあ雅？」

智兄が一瞬びくんとしたように俺には見えた。

雅「はい、そこにちょっと横になる。お腹診せてよ、ちょっとだけ。」

智兄はどうやってこの苦境から逃れようかと考えているように見えたけど、
案外素直にソファに横になった。

ということはまだ痛みがそこまでひどくないってことなのかな。

雅「膝立ててよー。お腹力抜いててよー。はーい。痛かったら教えてね。」

そう言って、右下腹部を、ゆっくり深く押さえてる。
雅は智兄の表情を読みとろうとしているみたいだけど
俺には智兄が必死にポーカーフェイスを決め込んでいるように見えた。

しばらくして、雅がまあ、今のとこ大丈夫そうかなって。
雅をだませても俺はだませませんよ、智兄。

今日俺も智兄もオフだから一日一緒に過ごしてやろう。
それならもし何かあっても対応できるからね。