虫垂炎手術(智)1 ページ31
智サイド
まただ、ここ数日右下腹がチクチク痛む。
この間虫垂炎て雅に診断されたけど、
抗生剤の点滴で完治したはずなんだけどなー。
便秘かもなー。
3日くらい前からちょっとお通じ悪いし。
でもどうだろうなー。どっちだろう。
うーん、念のため抗生剤だけ飲んでおこうかな。
もし虫垂炎でも初期だったら、抗生剤でまた散らせるだろうし。
リビングの戸棚を開けて抗生剤であるアモキシシリンを探す。
常備してあるはずなんだけどなーアモキシシリンは。
どこだー。
としばらくごそごそ戸棚をかき回す。
あー、あった。あった。
とそこに、翔がリビングへ入ってきて僕に近づき
アモキシシリンのシートを手に取る。
翔「何ゴソゴソやってんの？
アモキシシリンをどうしようっていうの？
誰か抗生剤が必要なくらい具合悪い人いるの？
それとも自分用に？」
翔はいつもいっぺんに色々聞きすぎるよー。
「えーっと、そうだよ、僕が飲むの。
ちょっと昨日から喉痛いから扁桃腺炎かなーって思ってさ。
ね、ひどくなる前にさ、飲んでおいたら皆に迷惑もかけないし。」
なんか、僕のおどおどした行動に
本当かー？っていう顔をしている翔。
翔「扁桃腺炎かなーってそんな曖昧な。
自分で鏡の前で口あーって開ければ見えるでしょ？
ほら、こっち来て。あーって開けてごらん？」
そう言って、電気の明るい場所に僕の腕をひいて連れていき
柄の長いスプーンをキッチンの引き出しから出してきた。
やばい、喉見られたら何ともないのがばれちゃうな。
どうしよう。でも拒否するのも変だしな、そう思って小さく口を開けた。
「あー」
翔「ちょっとそんなんで見えると思ってんの？
顎ちょっと上げてもっと大きく開けてよ。全く手のかかる患者さんだねー智兄は。」
仕方ない。
顎を開けて大きく口を開けて
「あーーー」って言ってやった。
翔「全然大丈夫そうだけど？本当に喉痛いの？
赤くもなってないよ。」
言いながら、首のリンパ腺に指を滑らせていく翔。
翔「リンパも腫れてないし、抗生剤なんて飲まなくても」
そこへ和と雅がやってきた。
和雅「何やってんの？」
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作成日時：2013年6月4日 3時
