宝物×宝物＝ part２ (ページ37)

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大人扱いページ37

頭に置かれた手が暖かい。

こういうとき、何も言わずにいてくれるところが、私は好きだ。

しばらく泣いて、少し収まってきたとき、シルクが口を開いた。

シルク「俺ら、騙されてたんだな」

「…え、」

顔を上げると、シルクの瞳はどこか悲しげで、今度は私が撫でてあげたくなった。

シルク「優菜がさ、俺らどっちにも電話して、別れさせようとしたって」

「そんな、嘘だよ、証拠は？」

優菜さん…

これから仲良くしていきたいと思ってたのに。

一体なんで…？

シルク「マサイの推理。確かに今考えてみれば、キスとかハグとかあんだけしたのに、今さらお前が俺の事嫌いだなんてねぇよなって思った」

俺おバカさんだな～と笑うシルクは、やはりまだ悲しそうで。

　
「ねぇ、無理しないで」

シルク「えっ？何でだよw」

「嘘つき。笑ってるけど楽しそうじゃない」

私はシルクの背中に、ぎゅっと力を込めた。

するとシルクは、ぽつりぽつりと自らの思いを語り出した。

シルク「俺さ、優菜のことは信じてたんだ。一番信頼できる女友達で、お前とは違う意味で好きだった。」

でも、と続ける。

シルク「今回こういうことがあって、そんなヤツだったんだって、悲しくなっちゃって。アイツへの怒りというよりは、期待してたのを裏切られた失望っつーか。」

とにかく残念なんだよな、とこれまた笑うシルク。

この人は本当に、弱味を見せないんだなあ

「シルク」

シルク「ん？」

「私の前では、強がんなくてもいいからね」

私がそう言うと、シルクは突然笑い出した。

「え？何！バカにしてんの!?」

シルク「あははははwwwいやごめんwそれ俺が言うセリフだろと思ってww」

あぁ、確かに。

シルク「まぁでも、ありがとな。」

そう言ってまた、私の頭を撫でる。

「…子供扱いしてるでしょ」

シルク「なぁに、大人扱いがいいの？」

なんだよ大人扱いって…

「大人扱いって？w」

シルク「知りたいか」

「知りたいです」

シルク「そんじゃ教えてしんぜよう」

ふいに視界が真っ暗になって、目元に温かい物が触れる。

目隠しをされているんだな、と理解した。

そして次の瞬間、唇にも柔らかな感触を感じた。

シルク「まだまだ高校生扱い位だけどな」

つまりはこの上があるということか…

シルク「まぁまぁ、今はまだ覚悟だけで良いよ、覚悟だけでw」