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暖かい。 ページ21

「……以上。」




今すぐ逃げ出してしまいたい。





けれど。






優菜さんとシルクが一緒にいたときもそう。





私は逃げていただけで。





結局こうして、ツケが回ってきているんじゃないか。






そう自分に言い聞かせ、床を睨む。









一度返事をしてくれたのに、また沈黙が流れた。







ダメだったんだな、と落ち込みかけたその時。








私の鼻を、大好きな匂いがくすぐった。






近くに、いる?









そう思った瞬間、抱き締められていることに気が付いた。









私が何か言うよりも先に、シルクが口を開く。









シルク「良いこと言った気になってんなアホ。俺だって中1の時からずっと好きだったっつーの。」









中1の時から……?






じゃあ、私が

シルクは一番の男友達だ!

って言ったときも



友達として好きだよって言ったときも








ずっと、ずっと







私の事、意識し続けてくれてたの……?







9年間…ずっと…







本当にそう思ってくれているのか心配になって、確認をする。




「…信じて…くれた…?」




涙混じりの声で小さく言えば、いつもの優しい声が聞こえる。




シルク「そこまで鬼じゃねぇよ。……A、ごめんな」





「っうん、」




ついに堰を切ったように、涙が流れ出した。





あーあ。さっきから泣いてばっかりだ、私。









「シルクぅ」





シルク「ん?」




初めはなんとなく名前を呼びたくなっただけだったが、さんざん悩ませた罰として、ちょっとからかってやろうと仕掛けてみる。






「大好きだチビ」





すると、ふっという柔らかな笑みと同時に、




シルク「お前が言うな泣き虫w」




という正論が帰ってくるのだった。









嬉しい。




素直に嬉しいと思った。




あれだけ悩んだ事が、こんなにも暖かく収まるなんて。





しばらくシルクの温もりに目を閉じていると、抱き締める力が強くなった。

通じ合えた→←傷つけないで



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設定タグ:Fischer's , フィッシャーズ , シルクロード   
作品ジャンル:恋愛
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未人 - かなやんさん» これからもよろしくお願いいたします! (2017年3月29日 21時) (レス) id: 667be68691 (このIDを非表示/違反報告)
かなやん(プロフ) - はい!初のコメントです!いえいえ!! (2017年3月29日 21時) (レス) id: 8229cd8f04 (このIDを非表示/違反報告)
未人 - かなやんさん» 初のコメントですね!ありがとうございます!そう言って頂けると嬉しいです! (2017年3月29日 20時) (レス) id: 667be68691 (このIDを非表示/違反報告)
かなやん(プロフ) - 更新たのしみにしてます!応援してます! (2017年3月29日 19時) (レス) id: 8229cd8f04 (このIDを非表示/違反報告)
未人 - 凜ちゃん 【凜松チャンネル】さん» 泣かないで下さい〜!これからも応援してあげてくださいね! (2017年3月25日 10時) (レス) id: 667be68691 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:未人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/mijinnhomupe/  
作成日時:2017年3月4日 17時

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