宝物×宝物＝ part２ (ページ16)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:303,962 hit

彼がしてくれたこと。ページ16

注文をしようとしたとき、シルクがわざわざ席を立ってくれた。

そんな些細なことは、シルクみたいな優しい人なら簡単にできることかもしれない。

それでもあれは、私のためにしてくれたこと。

そして次に、シルクとぺけたんと私でカラオケに行ったときの事。

半年後にライブを控えていたため、緊張とプレッシャーからの焦りで上手く歌えなかった私を、シルクは抱き締めてくれた。

自意識過剰かもしれないが、あれも私のためにしてくれたこと。

他にも思い当たる節はいくつもあって。

もしかしたら、私が覚えていなくても、すごくすごく小さなところで何かしてくれていたかもしれない。

あぁ、また、気付けていないことがあった。

シルクはこんなにも、私のために色々なことをしてくれていたのに。

私はそれに見合う、いや、それ以上の何かを、返せていただろうか？

「…いっぱいあった」

ンダホ「でしょ？そんなにAのためを思ってくれている人が、簡単にAのこと嫌いになるわけ無いんだって」

「…うん」

ンダホ「ほら、そうとわかれば、俺とくっついてる場合じゃないでしょ、俺もう帰るから、明日ちゃんと話し合うんだよ？」

私がこくりと頷いたのを確認して、ンダホはゆっくり私から離れる。

ンダホから離れた瞬間、開いたままのベランダから流れ込んだ冷気で、私は身震いした。

ンダホ「それじゃ、アデュー」

「うん、ありがとう。」

ンダホ「そこはアデューだろお？w」

「…アデュー！」

ンダホ「はい、良くできましたw」

話を聞いてもらって、心のつかえが少し取れた気がする。

ンダホが帰ったあと、私は考えた。

このまま色々されているままじゃ、申し訳ない。

せめて、ちゃんと仲直りして、ありがとうって、伝えよう。

あわよくば、そのまま告白してしまおうか。

__________なんて。

でも、両想いだったら、いいな。