80話:失敗 ページ34
……ものすごく感じ悪かったよね私。
ぴしゃん、と障子を閉めた私は、がっくりと項垂れる。
本をたくさん読んできて、たくさん言葉を知っているはずなのに、いざという時に出るのは心ないものばかり。
はぁ、と今日何度目かわからない溜息を吐くと、私は静かに前を向いた。
行かなくては。
仕事を、しなくては。
次は会計委員会室に向かおうと思う。
気は進まないけれど。
来た方の廊下にそれらしい標札はなかったから、きっと向こう側にあるのだろう。
よし、と意気込んで私は歩きだした。
……えーっと、あった、ここだ。
さっきと同じ要領で会計委員会室を見つけると、私は鞄から書類のファイルを取り出した。
「失礼します」
大きく息を吸い込んで、背筋を伸ばして一言発する。
「どうぞ」
中から潮江さんの声がして、私はカラカラと障子を開けた。
「……天女様？ 何の御用でしょうか」
「事務室からの書類をお渡ししに参りました」
会計委員会のものはすぐに出せるようファイルの一番上に入れていたはずだ。
念のため確認しておこう、と宛名を見て目をまたたく。
……あれ？ 作法委員会？
ペラリ、ペラリと捲っていくけれど、会計委員会のものが見つからない。
……どうしよう。
潮江さんが一番怖そうだったから、ここでだけは失敗しないようにしようと思っていたのに。
落ち着かなければと思えば思うほど、手が勝手に震えてしまう。
「あ」
焦るあまりにファイルが手から滑り落ちて、中の書類がバサバサッと廊下に散らばった。
「も、申し訳ございませんっ！」
泣きそうになりながら慌てて書類を拾っている私の耳に、聞き慣れない声が届いた。
「てん──Aさん！」
救いを求めて縋るような気持ちでそちらを向くと、さっき私が散々なことを言った図書委員の五年生が、真っ直ぐに走って来ていた。
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わそ姉大好きリスナー - Ahoy 学校行きたくねェェェェェェ 続編に出航〜♪ (2023年1月25日 9時) (
レス) id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 小桜さん» コメントありがとうございます！忍たまって鬼滅並みに難読苗字多いですよね笑。尼子先生の出身地の尼崎の地名から取っているそうなのですけれど、私も最初は漢字と読みがなかなか一致しなくて困りました。食満は初見じゃ絶対に読めないと断言できますよね！ (2022年8月12日 19時) (レス) id: 23eb6548af (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - マジで夢主ちゃんに同感です。食満って名字、最初は「しょくまん」って読んでしまいますよね。私もアニメで聞くまでしょくまんだと思ってました！ (2022年8月12日 19時) (レス) @page19 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真白 | 作成日時：2022年4月28日 21時
