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77話:なんだこいつ ページ31

……えーっと、図書室図書室……。



伊作さんに教えられた通り、私は薄暗い校舎の中を天井近くに吊り下げられている木札を見上げながらぽてぽて歩いていく。



……あった、あそこだ。



ずいぶんと達筆で『図書室』と書かれている木札を見つけ、私はパタパタと駆け足で近寄った。



……うわぁ、ドキドキする。



およそ一日ぶりの本との邂逅に高鳴る胸の前で、私はキュッと両手を握る。

事務室で触れた書類とは違う、本として完成された物がこの先に並んでいるのだと思うと心が躍る。


だが、今の私は仕事をするためにここに来ているのだ。

いくら本に浮かれていても、仕事中に本棚に目を向けることは許されないし、ニヤニヤするのもダメだ。



「失礼します」



パンッと頬を掌で叩くと、私は鞄から書類を取り出し、図書室の障子を開けた。



……なんだこの空気。



障子の向こうに広がっていたお通夜のような空気に、私はパチパチと目をまたたく。

図書委員らしき人物が向かい合って円のように並んで座っているのだけれど、誰一人言葉を発することなくお互いに見つめ合っているのである。


戸惑いと共に右足を一歩後ろに下げた私は悪くないと思う。


手前に座っていた青色の忍び装束の少年がこちらを振り向いて、一瞬嫌そうに顔を顰めた。



「天女様ですか?」

「天女じゃありません、AAです」

「要するに天女様ですね」



……なんだこいつ。



さっきの川西君と同じ色の制服だから二年生なのだろうけれど、生意気にもほどがある。

天女じゃないと言っているだろうが。


ああん、とメンチを切る真似をした私に、彼の向かいに座っていた長次さ──中在家さんが近寄ってきた。



「何の用だ、もそ」



……もそってなんだもそ。



「本の匂いを嗅ぎに──じゃなかった、この書類をお渡ししに参りました。事務室からです。二枚目の紙に必要事項を記入して、来週末までに提出してください」



では、と頭を下げると私はくるりと踵を返した。

長居をしてはいけない。

長くいればいるほど本が読みたい欲が抑えられなくなるのだから。


そう思っていたのに、後ろから声がかかる。



「……え? それだけ?」

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わそ姉大好きリスナー - Ahoy 学校行きたくねェェェェェェ 続編に出航〜♪ (2023年1月25日 9時) (レス) id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 小桜さん» コメントありがとうございます!忍たまって鬼滅並みに難読苗字多いですよね笑。尼子先生の出身地の尼崎の地名から取っているそうなのですけれど、私も最初は漢字と読みがなかなか一致しなくて困りました。食満は初見じゃ絶対に読めないと断言できますよね! (2022年8月12日 19時) (レス) id: 23eb6548af (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - マジで夢主ちゃんに同感です。食満って名字、最初は「しょくまん」って読んでしまいますよね。私もアニメで聞くまでしょくまんだと思ってました! (2022年8月12日 19時) (レス) @page19 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:真白 | 作成日時:2022年4月28日 21時

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