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63話:壺、購入 ページ17

AA、十七歳。

年下の男の子を、泣かせました。



……いやいやいや、聞いて聞いて? 確かに半分くらい意図的に泣かせたけど、いじめたわけじゃないからね!? 本当に違うよ?



だってほら、見てほしい。

彼はあそこであんなに清々しい顔をして掃除をしている。



「あ、Aちゃーん。そっちのお掃除終わった?」

「うーん、もうちょっとかなー」



……ものっそい懐かれたんだが?



完全に予想外である。

いいのか、私に対してそんな態度で。

天女様かもしれないんだぞ?

まぁ、そう思われているのをなんとかするために泣かせたんだけど。



小松田さん改め秀作君は、一度信じたものは疑わないタイプだったらしい。

そんなんじゃ、いつか壺を買わされると思う。



「こっちはもう終わり。Aちゃんの方もこの葉っぱを塵取りで回収したら終わりじゃない?」



隅の方に積み上げていた落ち葉の小さな山を見てそう言うと、テキパキと取り除いてくれる。



……なんか、明らかにへっぽこ感が薄まってるんだけど。



私を天女扱いしていた時に比べ、格段に仕事ができるようになっている。

あれか。

天女サマ(わたし)に緊張しすぎて、必要以上にビクビクしていたとか、そういうことか。



「Aちゃん、悪いんだけど、門を開けてもらってもいい? 外の森に捨ててくるから」



よいしょ、と重くなった塵取りを持ち上げた秀作君が、通用口を開けるように言った。

お安い御用である。

むしろ、秀作君一人に全てをやらせて掃除がやり直しになる方が困る。



「ありがとう」



私がキィと開けた通用口に、よたよたとした足取りで秀作君が近づいていく。

やっぱり私が行った方が良かったかもしれないな、と思いかけた瞬間──。



「あ」



見事なまでに、秀作君がすっ転んだ。



……やっぱり。



まるで初めからそうなることが決まっていたかのように、秀作君は門の段差につまづいた。

塵取りの中身が全て門の外に散らばったのは不幸中の幸いだったと言えるだろう。



「Aちゃん……」



うるうるとした目でこちらを向いてくる秀作君に、私は大きく溜息を吐く。



「ほら、そんな顔してないで。片付けるよ」



しょうがないな、と笑ってみせると、彼は一瞬驚いたように目をまたたいて、嬉しそうに笑った。

64話:しょくまんさん→←閑話 僕の信じるもの



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わそ姉大好きリスナー - Ahoy 学校行きたくねェェェェェェ 続編に出航〜♪ (2023年1月25日 9時) (レス) id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 小桜さん» コメントありがとうございます!忍たまって鬼滅並みに難読苗字多いですよね笑。尼子先生の出身地の尼崎の地名から取っているそうなのですけれど、私も最初は漢字と読みがなかなか一致しなくて困りました。食満は初見じゃ絶対に読めないと断言できますよね! (2022年8月12日 19時) (レス) id: 23eb6548af (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - マジで夢主ちゃんに同感です。食満って名字、最初は「しょくまん」って読んでしまいますよね。私もアニメで聞くまでしょくまんだと思ってました! (2022年8月12日 19時) (レス) @page19 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:真白 | 作成日時:2022年4月28日 21時

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