61話:小さい子 ページ14
……やっべえ、恥ずかしい。
何が、と言われても説明できないレベルで恥ずかしい。
さっきから同じ部屋で片付けをしている小松田さんから、小さい子供を気にかけるような視線を送られているように思えてならないのだ。
……違うし。ちょっと色々と失敗しただけだし。
確かに私はさっき、帰り道を盛大に間違えた。
態度もちょっと子供っぽかったかもしれない。
でも、それだけだ。
それだけなのだ。
だからそんな、私が何かする度に『すごいねー、偉いねー、よく頑張ったねー』みたいな目で見ないでほしい。
それでいて、私がそちらを向くと怯えたように顔を背けるだなんて。
どうにかしてほしい。マジで。
「こんなもんですかね」
お茶の香りが随分と弱まった畳を見て、私は一つ頷いた。
少しシミになってしまったけれど、仕方ないだろう。
よく見ると部屋のあちこちに似たような汚れが残っているし、たぶん大丈夫なはずだ。
「次は正門付近の掃除でしたっけ」
雑巾や桶を片付けると、私は立ち上がって事務室の戸に手をかけた。
ハッとしたように大きく首を縦に振った小松田さんが、とてとてと私の後をついてくる。
……なんか、小さい子みたいで可愛いな。
お互いがお互いを子供だと思っていそう、ということからは視線を逸らしておく。
向こうがどう思っていようと、年上なのは私だ。
「さぁ、始めましょう」
「は、はい」
無事正門に辿り着いた私は、小松田さんが出してくれた竹箒を手にそう言う。
さっきの事務室での掃除で比較的警戒心を解けたと思ったのだけれど、そうでもなかったらしい。
少し震える声で返事をした彼に、私は溜息を隠せない。
きょろきょろと辺りを見回すと、正門の向かいにある建物に、二、三段ほどの階段が地面から続いているのが見えた。
「ねぇ、小松田さん。あそこって座っても大丈夫ですか？」
「構わないと思いますけど……」
何をする気か、と怪訝な顔つきになった小松田さんから箒を奪い取り、自分の分と二本合わせて塀に立てかける。
「じゃあ、座ってください。少し話をしましょう」
「え？」
「いつまでもビクビクとされていたら仕事がしづらくて仕方ありません。仲良くなりたいので私と話をしてください」
よっこいしょ、と階段に腰掛けると、座れ、と左側を叩く。
戸惑いながらも横に座ってくれた小松田さんに、私はにこりと笑みを浮かべた。
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わそ姉大好きリスナー - Ahoy 学校行きたくねェェェェェェ 続編に出航〜♪ (2023年1月25日 9時) (
レス) id: 888b3d648c (このIDを非表示/違反報告)
雪(プロフ) - 小桜さん» コメントありがとうございます！忍たまって鬼滅並みに難読苗字多いですよね笑。尼子先生の出身地の尼崎の地名から取っているそうなのですけれど、私も最初は漢字と読みがなかなか一致しなくて困りました。食満は初見じゃ絶対に読めないと断言できますよね！ (2022年8月12日 19時) (レス) id: 23eb6548af (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - マジで夢主ちゃんに同感です。食満って名字、最初は「しょくまん」って読んでしまいますよね。私もアニメで聞くまでしょくまんだと思ってました！ (2022年8月12日 19時) (レス) @page19 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：真白 | 作成日時：2022年4月28日 21時
