22話:行かないってば ページ24
「ちょっと落ち着いたみたいだね」
私を部屋の中央に座らせると、うどん男と黒髪の男が顔を見合わせてホッと息を吐いた。
「……あの、貴方達は誰ですか?」
現時点で私が彼らに関して知る情報は、押し入れにいた全身ブルーの不審者、ということだけである。
そこにいたのはおそらく私を見張るためだろうけれど、忍たまならもう少し上手く隠れてほしいものだ。
「え、俺達のこと知らないの?」
意外そうに目をまたたかれても、知らないものは知らないのだ。
今までの天女は忍たまファンだったようだけど、私は違う。
こくりと頷くと、ボサボサ男が参ったな、とぼやくように頭をぼりぼり掻いた。
「俺達は忍術学園の五年生で、右から竹谷八左ヱ門、尾浜勘右衛門、そして俺が久々知兵助です」
ボサボサ男が竹谷さん、摩訶不思議うどん男が尾浜さん、黒髪色白美人男が久々知さんというらしい。
名乗られたからには自分も名乗り返さねば、と私は背筋をピッと伸ばした。
「AAです。明日から事務室で働くことになりました」
「Aちゃんだね。お夕飯はもう食べた? 食堂のおばちゃんのご飯、美味しいんだよ」
にこにこと笑いながら、尾浜さんが距離を詰めてくる。
「い、いえ。まだです」
「なら今から行こうよ!」
有無を言わせぬ圧が少し怖くて後ろにのけぞった私に、ぬっと尾浜さんの腕が近づいてきた。
「シナ先生に、ここで待つよう言われていますので」
行きません、と距離を取るため立ち上がろうとすると、がっしりと強く腕を掴まれる。
「ひっ」
「ちょっと貴方達、何してるの!?」
思わず小さな悲鳴が漏れ出た時、若い女の人の声が響き渡った。
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魚月(プロフ) - 小桜さん» わかります!めちゃくちゃあるあるですね!ありがとうございます。参考にさせていただきます! (2022年3月29日 20時) (レス) id: cd436a6c71 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - 魚月さん» そうなんです! 私も本大好きなんですよ〜。私の場合は、途中まで読んだ本を栞を挟んだりするんじゃなくて、開いたまま伏せて置くのが許せません! 型が残ってしまうので。……これは結構あるあるなんじゃないかな〜って思ってます! (2022年3月28日 22時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
魚月(プロフ) - (続き)夢主ちゃんを究極の本好きにするため、本好きの友人達から「本好きあるある」を募って書いています。私はこうだな、というのがありましたら、ぜひ教えてくださいね! (2022年3月28日 19時) (レス) id: cd436a6c71 (このIDを非表示/違反報告)
魚月(プロフ) - 小桜さん» コメントありがとうございます! 夢主ちゃんと気が合いそうとは、小桜さんもなかなかの本好きですね。……実は作者もです笑。 (2022年3月28日 19時) (レス) id: cd436a6c71 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - ヤバい……夢主ちゃんの言うことめっちゃ分かる……!! この子とは気が合いそうです! とても面白く、続きが楽しみです。更新頑張って下さい! (2022年3月28日 7時) (レス) @page19 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:真白 | 作成日時:2022年3月15日 9時