13話:今後の私 ページ15
「それで、貴女の今後なのじゃが。我々としては、このまま学園に留まっていていただきたい」
「……え?」
殺すかも、と仄めかした直後にそれを言うか。
この学園を傷つけるかもしれない私を抱え込もうとするその意図もわからない。
「そんな顔をしておるが、学園から出たところで行く宛もござらんじゃろう」
確かにそれはそうだ。
お金も現代のものとは違うだろうし、そもそも私一人では近くの街に辿り着けるかもわからない。
危険だからと追い出されて、困るのは私だ。
「衣食住と自由時間は保証いたします。どうじゃ? 住み込みで、事務や食堂の手伝いとして働いていただけますかな?」
にこやかなのに全く笑っていない目で、学園長先生は刺すようにこちらを見る。
少し怯みかけたが、私だってこの件に関しては被害者だ。
気がついたらここにいただけで、まだ何も悪いことはしていない。
……そう、何もやらかさなかったら大丈夫。
一度息を深く吸って、私は背筋を伸ばす。
仙蔵さんに負けないくらいキラキラな笑みを顔に貼りつけて、私は口を開いた。
「その前に、いくつかお聞きしたいことがあります」
「何ですかな?」
「お給料についてです」
ほう、と学園長先生が頷く。
キラリ、と目が楽しそうに光った。
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魚月(プロフ) - 小桜さん» わかります!めちゃくちゃあるあるですね!ありがとうございます。参考にさせていただきます! (2022年3月29日 20時) (レス) id: cd436a6c71 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - 魚月さん» そうなんです! 私も本大好きなんですよ〜。私の場合は、途中まで読んだ本を栞を挟んだりするんじゃなくて、開いたまま伏せて置くのが許せません! 型が残ってしまうので。……これは結構あるあるなんじゃないかな〜って思ってます! (2022年3月28日 22時) (レス) id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
魚月(プロフ) - (続き)夢主ちゃんを究極の本好きにするため、本好きの友人達から「本好きあるある」を募って書いています。私はこうだな、というのがありましたら、ぜひ教えてくださいね! (2022年3月28日 19時) (レス) id: cd436a6c71 (このIDを非表示/違反報告)
魚月(プロフ) - 小桜さん» コメントありがとうございます! 夢主ちゃんと気が合いそうとは、小桜さんもなかなかの本好きですね。……実は作者もです笑。 (2022年3月28日 19時) (レス) id: cd436a6c71 (このIDを非表示/違反報告)
小桜(プロフ) - ヤバい……夢主ちゃんの言うことめっちゃ分かる……!! この子とは気が合いそうです! とても面白く、続きが楽しみです。更新頑張って下さい! (2022年3月28日 7時) (レス) @page19 id: 8b4a915ba2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:真白 | 作成日時:2022年3月15日 9時