4．わたしの背後霊 研二くん【警察学校組】

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「＿＿＿＿＿＿……！…ぃ、ぉ…ろ！…き…、……！」







んん……もう朝……？


あともうちょっとだけ寝てたいのに……でも起こされてるから、起きないと。




そう思って瞼を上げると、目の前には、視界いっぱいのじんぺーちゃんの顔があった。



その後ろには、心配そうな顔をして宙に浮いてる研二くんの顔。








「＿＿＿＿＿＿起きろ！！Aッ！！！」


「わっ！！」








突然の大声にびくりと肩が揺れて、慌てて起き上がる。


び、びっくりした。

A、そんなに怒られるようなことしちゃったのかな？




……あれ、そういえばここ、じんぺーちゃんといつも一緒に寝てるベッドの上だ。


辺りを見渡すと見慣れた光景に囲まれていて、記憶の一番最後にある帰り道じゃない。



いつの間に戻ってきたんだろう。




確か、今日は研二くんが一緒じゃなくて、一人で帰ってて、暇だから白線の上を歩くゲームしてて。



そしたら…………そし、たら…………あれ？


何が、あったんだっけ？







可笑しいな。

思い出せないなんて、今まで無かったのに。




混乱してる私に、じんぺーちゃんは「悪ぃ、デケェ声出しちまって」と申し訳なさそうな顔を浮かべて、そっと私の目元を親指で撫でる。



離れていった指先には、水滴がついていた。








「ううん。だいじょーぶだよ。じんぺーちゃん、何かあったの？」


「いや、寝てたお前が急に泣き出したから……悪夢でも見てんのかと思って」



『そうそう。俺もチョー心配したんだから！さっきも気絶して帰って来るし』



「え！A、気絶してたの？」


「覚えてねぇのか？降谷の野郎が「Aが道で倒れてた！」っつってお前をここまで運んできたんだよ。あいつ曰く、寝不足かなんかだろって」








お前、最近寝れてねぇのか？なんて言って、じんぺーちゃんがグッと顔を近づけてくる。



……ちゃんと隠してたはずなのにな。








「…………最近、夢にママが出てくるの。ママに、「要らない」って言われる夢……だから、寝るの、怖いの……」


「……なら今日は、ハギと三人で夜更かしすっか」



「え、良いの？！」

『お、良いじゃん！じんぺーちゃんにしては冴えてんな？』




「おう。どうせならDVDでも借りに行くか？」


「行く！私ミステリー映画！」

『俺サスペンスー！』


「んじゃまず着替えてこい」








そう言って頭を撫でるじんぺーちゃんの大きな手。


じんぺーちゃん達が撫でてくれる限り、きっと私は、ずうっと幸せだ。









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