4．わたしの背後霊 研二くん【警察学校組】

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＿＿＿＿＿＿額に押し付けられた銃口の硬さを感じながら、グッと震えそうになる足に力をこめる。


目の前には、としや君の言っていた、黒い帽子を被った茶髪の女の人。

引き金にはすでに指が添えられていて、殺そうと思えば、私はいつでも殺される場面だった。




こうなったのは今から数分前。




絶対に証拠を見つけ出してやる、と意気込む元太くんを追って新聞社に入った私たちは、建物の中で様々な偽札作りの証拠を見つけてしまい、見事にとしやくんのお兄さんを攫った人達に捕まってしまっていた。



研二くんが機会を窺って倒そうとしてくれているが、その姿を前にして、静かに首を横に振る。





……いくら研二くんが幽霊でも、相手は三人いて、女の人は拳銃を持ってるんだ。

変に攻撃しちゃったら、みんなが危ない。








「そこを退きな。早死にしたくはないだろ？」


「……この子を撃つなら、先に私を撃ってください」

「そ、そんなのダメだよAさんッ！！きっとコナンくんが助けにきてくれるから、死んじゃダメ！！！！」





「良いね、威勢のいい子は嫌いじゃない」








まず最初に拳銃を突きつけられた歩美ちゃんの前に立って、自分から額に銃口を押し付ける。



怖くないって言ったら、きっと私は大嘘吐きになっちゃう。

それでも今は、大嘘吐きにならないと、すぐにでも膝から崩れ落ちてしまいそうだった。


女の人は歩美ちゃんの言葉に反応するように、「階段のところを彷徨いてた眼鏡の坊やなら、とっくに死んでるよ」と口を動かす。





……だけど、決して動揺したりしない。

だってコナンくんはきっと、そんな簡単に死んだりしないもの。



だからコナンくんが助けに来てくれるまで、私が、みんなを守らなきゃいけないんだ。








《簡単に、一人で戦おうとすんじゃねぇ》








大丈夫だよ、じんぺーちゃん。

私、一人で戦ってないよ。








『……Aちゃん』








側にやってきた研二くんと、ぎゅうっと手を繋ぎ合う。



みんなには見えないかもしれないけれど、それでも、私の隣には研二くんが居るから。


一人じゃないよ。








「大丈夫、すぐにあの子の所に逝かせてあげるからね。バイバイ、お嬢ちゃん」



「やめろぉおおおお！！！！」







としやくんのお兄さんがそう叫んだ、次の瞬間＿＿＿＿＿＿どこからか飛んできた黒い物体が、ガツンと拳銃に命中した。



そして扉の外に現れる、見慣れたシルエット。







……遅いよ、コナンくん。








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