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「今日はありがとう、Aちゃん。とっても楽しかったわ」
「私もおねーさんとご飯食べれて楽しかったっ！また一緒に食べよーね！」
「えぇ、勿論」
ご飯を食べ終わって少し海を眺めてから、私はまたいつもの景色の中に戻ってきた。
人の行き交うマンションの下まで送ってもらって、かっこいい車から飛び降りる。
腕にはちゃんと雅美お姉さんに貰ったクマさんも居るよ。
大人になってもずっと大切にするんだ。
「あ、そうだ」
ふと、マンションの自動ドアを潜る直前、あることを思い出して私は足を止めた。
そういえば、クマさんを抱きしめるのに夢中になりすぎてて、大事なことをするのを忘れてた。
慌ててかけ戻ると、お姉さんは丁度車に乗ろうとしているところだったようで。
乗ってしまう前で良かったと思いながら、再び振り返ってくれたお姉さんの前に、元気よく小指を差し出す。
折角一緒に食べる約束したのに、雅美お姉さんとは、まだ指切りしてなかったから。
「約束だよ！雅美おねーさん！」
ただそれだけのことなのに、なぜか、お姉さんの表情はみるみるうちに笑顔になって。
だけどどこか、泣きそうにも見えて。
お姉さんの気持ちが読めず首を傾げる私の小指に、恐る恐ると言った様子で、細くて綺麗な小指が絡められた。
「指切りなんて一体何年ぶりかしら」
「雅美おねーさんは指切りあんまりしないの？」
「そうね。大人になってからは一度も。……でも、たまには良いわね、こういうのも」
今居る場所が外ということもあって、流石に歌うことはしなかった。
代わりに「指切った」だけを高らかに言うと、少し名残惜しそうに、お姉さんの小指がスルリと解けた。
「それじゃあね、Aちゃん」
「うん！またねー！」
それからちょっと離れた場所に居た研二くんと合流して、マンションの階段を駆け上がって。
何気なく部屋の前の廊下から下を覗き込むと、そこにはもう雅美お姉さんの車は無かった。
＿＿＿『どうかヒロくん…………いえ、緑川さんによろしくね、Aちゃん』
私にクマさんを渡したタイミングでそう言ったのには、何か、理由があるのかな。
受け取った瞬間から仄かに抱いているそんな違和感を、クマさんと一緒にぎゅっと抱きしめる。
『……なんか、あんまりいい予感はしないね』
研二くんの言葉を否定出来なかった日から、一週間後。
雅美お姉さんの電話番号は、跡形もなく消えてしまった。
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宮野冬姫(プロフ) - それから、158の絶好の場所というセリフが格好の場所になってます (2022年7月10日 21時) (
レス) @page12 id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
宮野冬姫(プロフ) - 150のパトカーのサイレンですが、ピーポーピーポーは救急車では？ (2022年7月10日 21時) (レス) @page4 id: 09433d1ffe (このIDを非表示/違反報告)
朱夢 - とても面白いです‼️いつも楽しく読んでます。寒いですが頑張ってください‼️ (2021年12月10日 16時) (レス) id: af58c4fc49 (このIDを非表示/違反報告)
琉流 - 更新ありがとうございます。しかし本当に警察学校組は若いですよね…。 (2021年12月10日 2時) (レス) @page48 id: 45a1f0a151 (このIDを非表示/違反報告)
とーふ(プロフ) - 更新ありがとうございます！研二くんとじんぺーちゃん、警察学校組の皆と話している夢主ちゃん可愛い！記憶に残ってないのは悲しいですけどね…これからも更新頑張ってください！ (2021年12月9日 18時) (レス) @page48 id: a9336fcc7d (このIDを非表示/違反報告)
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