百日草 (ページ6)

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黄side

北斗が居なくなってから今日で５日。あの日以来、初めてメンバーが集まる予定になっている。

「おはよう。調子どう？」

「おはよ。まあ、ぼちぼちね。」

「まだ顔色悪いな。気分悪かったら停めるから。無理しないで言ってよ。」

昨日の仕事終わり、体調が優れなくてマネージャーさんに迷惑をかけた。原因は明白。あの日から水以外口にしてないから。

食べなきゃいけないことくらい分かってる。わかってるけど、何か口にしようものなら胃がギリギリ痛んでダメだった。

「大我も昨日の稽古中貧血で倒れたみたい。北斗のこと、あんまり自分を責めすぎるなよ。」

自分を責めるなだなんて、無理に決まってるだろ。

ずっと一緒にいたのに。俺が一番付き合い長いのに。

俺は今、北斗が何に苦しんで、どうして姿を消したのかすら知らないんだ。

ぼーっとして時間感覚がなくなっていたらしい。マネージャーさんに名前を呼ばれてハッと顔を上げたら、ジェシーの家の駐車場についていた。

「髙地、ごめんちょっと待っててもらっていい？ジェシーから降りるって連絡きたんだけど全然来ないから様子見てくる。」

は？ジェシーが来ない？

北斗のように居なくなっちゃったんじゃないだろうか。そんな嫌な予感に背筋が凍る。マネージャーさんが走っていった先を、祈るように見つめることしか俺にはできなかった。

不安で動悸がして。きっと待ってたのなんて数分なんだろうけど、何十分も待っているように感じられる。

ようやく見えたジェシーは、マネージャーさんに腰を支えられて危なげにふらふら歩みを進める姿。

俺は居ても立っても居られなくて俺は車を飛び出した。