【ツイステ】続・夢の中で不思議な子どもと逢う話【男主】

少年と赤薔薇の庭園 ページ2

▽



「(……眠い)」



くわぁ〜とマスクの下で大きく欠伸をしながら、閉じそうな目を必死に開いて黒板にかじりつく。

昨日ちゃんと寝たはずなのに。

珍しく夢も見ないで眠った昨日。

夢を見なかった日はどこか寂しい気持ちになる。

夢に依存しているからなのか、それとも夢が俺を呼んでいる(・・・・・・・・・)からなのだろうか。


あまりにも耐え難い眠気に、呆気なく瞼は抵抗をやめて、まるで大きな穴へと転がり落ちるように夢の世界へと飛び込んで行った。





◇◇◇





誰かに肩を揺らされる感覚。

目を開けると、そこには薔薇のような赤色。





「大丈夫ですか！意識はありますか？！」


俺を揺らして尋ねる赤髪の少年。


恐る恐る目を開いて辺りを見渡すと、俺がいた場所はは赤い薔薇がそこらかしこに咲き誇る見事な庭園のベンチだった。

どうやらそこで寝ていたらしい。

黙っていた俺が余程体調が悪いと見えたのか、その少年は慌て始める。


「…患者さんなんだろうけど、今日お母様もお父様もいないし、どうしよう…。確か応急処置は……」


「(患者…？)」


そういえば、と思い出し口元を触る。

学校ではいつも顔を隠すためにマスクをしている。
夢の中でも俺はマスクをしていたから勘違いされてしまったようだ。




「あの、俺…」


そう言い出す前に、赤い髪の子は、俺をゆっくりと立たせると、そばに立つ立派な家の中へと俺を連れて行ったのだった。



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